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北朝鮮ミサイルめぐる国連安保理緊急会合、追加制裁への中ロの「冷淡さ」確認しただけ

登録:2022-10-07 05:45 修正:2022-10-07 07:44
2017年の対北朝鮮制裁決議以降、追加決議が困難に 
米中の覇権争い、ウクライナめぐる西側とロシアの対立が影響
北朝鮮の弾道ミサイル発射問題を話し合う国連安全保障理事会の緊急会合が5日、国連本部で開かれている=ニューヨーク/AP・聯合ニュース

 北朝鮮の弾道ミサイル発射問題を話し合うため5日に召集された国連安全保障理事会の緊急会合が、断固たる対応を求める米国などと、「米国にも責任がある」と主張する中ロの隔たりだけを確認し、これといった成果なしで終わった。

 同日の会合の招集を求めた米国などは、北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射は「安保理決議違反」である点を強調し、安保理レベルの対応が必要だと主張した。米国のリンダ・トーマスグリーンフィールド国連大使は「安保理の二つの常任理事国が金正恩(キム・ジョンウン)の行動を可能にした」と中ロ両国を非難する一方、北朝鮮が主な米軍基地のあるグアムを打撃できるミサイルを発射したことについて、「米国は北朝鮮が直接的な脅威を加えることを座視しない」と述べた。英国のバーバラ・ウッドワード国連大使は「安保理が何の行動もしなかったため、北朝鮮が大胆になった」と発言しており、関係国として会合に招待された韓国のファン・ジュングク国連大使も「安保理の沈黙に北朝鮮はミサイルで答えた」とし、さらなる対応が必要だと強調した。日本の南博次席大使も「安保理はその信頼性が危ぶまれていることを留意しなければならない」と指摘した。

 安保理の常任理事国である中国とロシアは、北朝鮮が大陸間弾道ミサイル(ICBM)「火星15型」などを発射し、6回目の核実験に乗り出した2017年末までは、安保理レベルの対北朝鮮制裁決議に参加していた。だが、米中の戦略争いが激しくなり、2月末にロシアがウクライナを進行してからは状況が一変した。両国は5月、初めて対北朝鮮追加制裁案に拒否権を行使した。北朝鮮の核・ミサイル対応において大きな破裂音が生じたのだ。その後、安保理はこれまでの役割を果たせず、北朝鮮の核・ミサイル問題に対する互いの立場の違いだけを確認する場になってしまった。

 中ロは米国にも責任があるという主張を展開した。中国の耿爽次席大使は「北朝鮮の最近の発射に注目すると同時に、その地域で数回行われた米国と他の国々の合同軍事演習にも注目する」と述べた。さらに「米国はアジア太平洋地域で軍事連合を強化し、核に関する軍事的競争のリスクを高めている」とし、「北朝鮮の正当で合理的な懸念に対し、真剣に対応すると共に、具体的措置に乗り出すことを米国に求める」と述べた。ロシアのアンナ・エブスティグニエワ次席大使も「米国とその同盟国が大規模な軍事演習を再開した」とし、緊張を高めた原因として米空母を投入した合同演習を挙げると共に、追加制裁に反対する考えを明らかにした。

 米国、韓国、英国、フランス、日本、ブラジル、インド、ノルウェー、アラブ首長国連邦は安保理レベルの糾弾声明が採択されなかったことを受け、場外声明を発表し、「日本上空を通過した北朝鮮の長距離弾道ミサイル発射を強く糾弾する」と明らかにした。さらに「我々は安保理決議第2397号が追加の主要措置について言及していることを想起しなければならない」と述べた。2017年12月に発表された第2397号は、北朝鮮が核実験や大陸間弾道ミサイルを発射した場合、自動的に制裁の強化について話し合わなければならないと定めている。チリを訪問中の米国のアントニー・ブリンケン国務長官は、北朝鮮の行動は「糾弾、孤立、彼らの行動に対する対応を拡大させるだけ」だと述べた。

ワシントン/イ・ボニョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/1061606.html韓国語原文入:2022-10-07 02:30
訳H.J

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