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【社説】韓国のEC企業ティモン・ウィメプ問題、被害を最小化し再発防止策を

登録:2024-07-26 08:22 修正:2024-07-26 10:32
25日、ソウル江南区新沙洞のティモン本社前で、被害者が払い戻しを待っている=チョ・ヨンウン記者(インターン)//ハンギョレ新聞社

 韓国の電子商取引(EC、Eコマース)業界4~5位のティモンとウィメプの販売者に対する精算遅延に起因する出店業者の大量離脱と消費者の払い戻し要求問題は、取り付け騒ぎと酷似した様相を呈している。政府は迅速な対処で被害を最小化するとともに、法の不備を点検して制度化するなど、再発防止策を急ぐべきだ。

 25日、ソウル江南区三成洞(カンナムグ・サムソンドン)のウィメプ本社では、ウィメプで商品を購入した300人あまりの消費者が押しかけて払い戻しを要求するなど、大騒ぎとなった。オンラインでの払い戻しが中断されたことで、不安に駆られた消費者が全国から集まったのだ。旅行会社、主要デパート、ホームショッピングなどの大手流通企業は、19日を前後してティモンとウィメプから撤退している。ティモンとウィメプが今月に入って出店業者に販売代金を精算していないためだ。旅行会社などは精算が受けられなかったとして販売された旅行商品を取り消し、再決済を要求するなど、消費者への被害が相次いでいる。資金余力のない中小の販売者(セラー)の連続倒産も避けられないとみられる。

 月の利用者数の合計が860万人に達するティモンとウィメプの今回の事態の背景には、市場を先取りするための拡大と無理な価格競争がある。最近はアリエクスプレスやテムなどの中国企業までもが超低価格製品を大量投入しているため、経営難が深刻化していた。

 Gマーケット創業者のク・ヨンベ代表がシンガポールで創業したQoo10(キューテン)は、ティモンとウィメプに続いてインターパークコマースと米国のEC企業「ウィッシュ」を買収するなど、攻撃的な買収合併を通じて規模を拡大してきたが、その過程で資金難に陥っていたと業界ではみられている。昨年、宿泊予約プラットフォームの「ヤノルジャ」からインターパークコマースを買収したものの、まだ買収資金が精算されておらず、ティモンについても2023会計年度の監査報告書が今も提出されていない。

 プラットフォーム仲介企業(オープンマーケット)は、販売者が出店して自分の商品を販売するかたちで運営される。ティモンとウィメプは、消費者の決済の1~2カ月後に販売者に精算するという、事実上の自転車操業で営業してきた。プラットフォーム事業者がその資金を他の用途に使う道が開かれているということだ。エスクロー口座の導入などの代案が必要だと指摘されていたが、反映されていない。公正取引委員会は、プラットフォーム事業者への出店業者の未精算問題は民事上の債務不履行問題であるため、公正取引法の適用は難しいとの立場を取っている。法の死角地帯となっているわけだ。数百万の消費者の金と中小商人の生計がかかっているプラットフォーム仲介企業に対する政府の認識としては、お粗末すぎるのではないか。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1150734.html韓国語原文入力:2024-07-25 18:07
訳D.K

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