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[社説]「オミクロン株」全世界が非常事態、初期対応にぬかりなきよう

登録:2021-11-29 03:05 修正:2021-11-29 07:58
全世界の保健当局が南アフリカで報告されたコロナ変異種「オミクロン株」防疫のため国境を閉ざしている。28日午後、仁川空港の入国ロビーで、オミクロン関連ニュースが流れるテレビ画面の前を帰国した人が通り過ぎている/聯合ニュース

 感染力の強い新型コロナウイルスの新たな変異株が拡散し、世界各国が非常事態に陥った。25日に初めて確認されたこの変異ウイルスは、南アフリカですでに急激に拡散した状態となっており、26日にはイスラエルとベルギー、27日には英国、ドイツ、イタリアなどでも感染者が確認された。国境での規制を急遽強化する国も増えている。韓国政府も27日夜、関係省庁会議を開き、南アをはじめとするアフリカ8カ国からの外国人の入国制限や、内国人の施設隔離などの措置を発表した。「段階的な日常回復(ウィズコロナ)」開始以降、感染者と重症患者、死者が急激に増加している中、強力な変異株まで登場したことで、防疫負担が重くなっている。

 「オミクロン」と命名されたこの変異株は、世界保健機関(WHO)が26日に緊急会議を開き、「懸念される変異株」に指定した。すでに懸念される変異株に指定されているデルタ株より感染力がはるかに強いうえ、既存のワクチンを無力化する可能性もあるという診断も出ている。致命率などを含む総合的な危険度は、より時間をかけて厳密に評価しなければならないとされるが、すでに全世界が非常事態に突入している。韓国を含め、米国、欧州、日本などが入国規制と旅行制限に入っており、全面的な封鎖措置に乗り出したイスラエルなどの国もある。緩和した国内防疫レベルを再び上げる国も増える見通しだ。

 まだ国内ではオミクロン株への感染者は確認されていないが、出入国の多い欧州地域では感染者が出ているだけに、警戒心を緩めるわけにはいかない。中央防疫対策本部は28日、アフリカ8カ国のほか、オミクロン株の感染者が発生した香港や英国などに対しても入国制限措置を下しうると表明している。初期対応が何より重要だ。先制的な検疫強化措置の時機を逸してはならない。

 ただでさえ韓国国内のコロナ防疫が危機を迎えている中、「オミクロン株」まで加わったことから、国民の懸念と不安は大きい。28日も、日曜日の発表としては最も多い3928人の新規感染者が確認された。死者も前日に続き50人台を記録している。全国のコロナ重症患者専門病床の稼働率も、超えれば「非常計画」の発動を検討することになっている緊急評価実施基準の75%を初めて超えた。政府は29日、文在寅大統領の主宰で特別防疫点検会議を開き、総合対策をまとめる。非常な認識で、国内の防疫状況はもとより、変異ウイルス流入の可能性まで考慮した名実の伴う総合対策を打たねばならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1021106.html韓国語原文入力:2021-11-28 18:01
訳D.K

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