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韓国の重症者数・死者数、またもや過去最多に…重症患者病床稼働率も「臨界値」

登録:2021-11-29 05:47 修正:2021-11-29 07:03
「非常計画」発動検討するための緊急評価の実施基準上回る
今月24日午前、京畿道高陽市の明知病院集中治療室のモニターに、重症患者の病床の様子が映っている。最近新型コロナの重症患者が増えていることから、明知病院が運営する19の重症患者専門治療病床のうち、17~18病床が埋まっている=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国で段階的な日常回復(ウィズコロナ)を始めてから1カ月で、新型コロナウイルス感染症による死者数と重症者数が同時に過去最多に達し、全国の新型コロナ重症患者専門病床の稼動率も初めて75%を上回った。韓国政府が「非常計画」の発動を検討する緊急評価の実施基準を初めて超えた。

 中央防疫対策本部(防対本)は28日午前0時基準で、新規感染者数が3928人だと発表した。前日(4068人)と比べると140人減ったが、日曜日の発表基準で見ると、新型コロナの感染拡大以来、最多規模だ。重症患者は647人、死亡者は56人でいずれも新型コロナの感染拡大以来最も多く、最多重症者数と最多死亡者数が同時に出たのも27日から二日連続だ。

 重症患者数がここ5日間相次いで600人を超えたことで、医療体制も逼迫している。全国の新型コロナ重症患者専門病床1154床のうち866床に患者が入院し、病床稼動率が75.04%に達した。首都圏(ソウル・仁川・京畿道)の重症患者の病床稼働率はすでに14日ごろ75%を超えたが、防疫当局は全国を基準に見ると病床の余裕がある状況で、非常計画を検討する段階ではないという立場を維持してきた。

 しかし首都圏を中心に連日2千人前後の新規感染者が発生し、韓国政府が安定的に対応できると提示した重症患者数(500人)をはるかに超える重症患者が10日以上出たことで、病床の負担は急増した。政府は首都圏から非首都圏に移送可能な患者を転院する対策を立てたが、「風船効果」で非首都圏の病床稼動率も高まる結果を招いた。前日午後5時基準で、ソウルの重症患者病床稼働率が86.09%、仁川(インチョン)が83.54%、京畿が83.33%だが、大田(テジョン)は96%に達しており、忠清北道(90.63%)、忠清南道(89.47%)も首都圏の重症患者病床稼働率を上回っている。

 政府は17日、ウィズコロナに伴う新たな新型コロナ危険度評価基準を提示し、非常計画の発動可否と措置事項について議論する「緊急評価」を実施する基準として、全国集中治療室の病床稼働率75%▽週間評価の結果、危険度が「非常に高い」の場合▽(ウィズコロナ実施から)4週間後の評価結果が「高い」または「非常に高い」の場合▽防疫医療分科委員会の専門家の意見などを基に、防対本案と中収本が非常計画の検討が必要だと判断する場合などを示した。

 連日のように重症患者数や死亡者数の記録を更新するなど、ウィズコロナの履行に赤信号が灯る中、政府は同日午後、日常回復支援委員会防疫・医療分科会議を開き、新型コロナの危険度評価について議論する予定だ。新型コロナの感染拡大に対応するための総合対策は29日午後に発表する計画だが、政府はすでにウィズコロナを中止する形の「非常計画」の発動は難しいという立場を示した。政府は防疫を強化するため、青少年に対しても防疫パスを適用する案、防疫パスの有効期間を追加接種した後、更新する案などを検討している。

 医療現場では、現在、防疫体制の対応能力が事実上、臨界値に達しているとして、新規感染者を減らす対策が必要だと口をそろえた。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)は「60歳以上の高齢患者が増えており、重症患者と死亡者も増えているが、政府が行政命令を下して確保しているのは、重症患者ではなく準重症患者の病床」だとし、「病床確保に限界があり、結局重症患者を減らす努力が必要だが、今すぐ非常計画を始めても効果が現れるまでには2週間ほど時間がかかり、その間、死亡者は引き続き出るだろう」と述べた。

 防対本は新変異株の「オミクロン」の国内流入を防ぐため、同日午前0時から南アフリカ共和国など8カ国から韓国に入るすべての外国人の入国を許可せず、韓国人の入国者もワクチン接種と関係なく10日間施設に隔離する方針を決めた。

イ・ジェホ、クォン・ジダム記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1021053.html韓国語原文入力:2021-11-28 20:54
訳H.J

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