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「オミクロン」懸念…韓国、感染者が確認された国に対するさらなる入国制限を検討

登録:2021-11-29 03:03 修正:2021-11-29 06:44
28日午前0時、南アフリカなどアフリカ8カ国に適用 
オミクロン株確認された国への「拡大適用」を検討へ
28日午前、仁川国際空港第1旅客ターミナルで。防疫服を着た海外からの入国者たちが入国手続きを行っている=仁川空港/キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国政府は、新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン(Omicron)」の流入を遮断するため、感染者が確認された香港や英国などについても、変異株の拡散を監視するとともに、これらの国を防疫強化国に指定しうると発表した。南アフリカをはじめとするアフリカ8カ国からのすべての外国人の入国を制限するとともに、それらの国から来た内国人を施設隔離するなどの措置を発表したのに続き、さらなる入国制限の可能性を残したかたちだ。

 中央防疫対策本部(防対本)は28日、オミクロン株への対応策について「現在、香港、英国、イタリアなどの(オミクロン株の感染者)発生は、南アフリカ、モザンビークなどのアフリカ諸国から流入したと確認される」とし「変異ウイルスであるオミクロン株に対する今後の持続的なモニタリングを通じて、危険度と拡散程度を把握し、防疫強化国などの対象国の拡大または調整などを検討する予定」と明らかにした。

 防対本は前日夜7時ごろに関係省庁会議を開き、オミクロン株の海外からの流入状況についての評価会議を行った。続いて28日午前0時に、オミクロン株の発生国とその隣接国である南アフリカなどの8カ国(南アフリカ、ボツワナ、ジンバブエ、ナミビア、レソト、エスワティニ、モザンビーク、マラウイ)を防疫強化国、危険国、隔離免除除外国に指定した。防疫強化国に指定されればビザ発給が制限され、危険国に指定されれば当該国から来た内国人は臨時生活施設に隔離され、隔離免除除外国に指定されれば国内での予防接種完了者にも隔離措置が適用される。それ以前は南アのみが危険国、隔離免除除外対象国で、残りの国は該当していなかった。

全世界の保健当局が南アフリカで報告されたオミクロン株防疫のために国境を封鎖しつつある28日午後、仁川空港の入国ロビーで、オミクロン株関連のニュースが流れるテレビ画面の前を、外国の航空会社の乗務員が移動している/聯合ニュース

 南アをはじめとする8カ国から他地を経由して韓国にやって来るすべての外国人は、搭乗手続きの過程でパスポートなどの確認を受け、航空機への搭乗が制限される。搭乗したとしても韓国への入国が禁止される。

 この日から南アを含む8カ国から来た内国人は、予防接種を受けたかどうかとは関係なしに、臨時生活施設での10日間の隔離措置の対象となる。韓国到着前に受けたPCR検査による陰性確認書を所持しているかどうかの確認を受けたうえで、隔離1日目、5日目、隔離解除前に診断検査を受けなければならない。

 防対本は「これらの国々に対しては、航空機への搭乗制限、入国過程での臨時生活施設における隔離、およびPCR検査の強化を通じて、流入の可能性のある全過程を徹底的に管理する」と述べた。これまでは、南アからの入国者は、5日間は臨時生活施設での隔離、5日間は自主隔離を実施していた。南アなど8カ国からの直行便は現在のところない。

 世界保健機関(WHO)は26日(現地時間)、アフリカ南部のボツワナで発見され、南アで広がっている新たなコロナ変異株「B.1.1.529」に15番目のギリシャ文字を当て「オミクロン」と命名し、「懸念される変異株(主要変異)」に指定した。南アで最初に確認(WHOによる9日の発表)されたオミクロン株は南アフリカで77件、ボツワナで19件など、およそ100件が確認されている。

 WHOなどの専門家は、オミクロン株の危険性を正確に分析するには数週間かかるだろうとの見込みを示しつつ、下手に過剰対応してはならないと指摘しているが、各国は国境規制を急いでいる。ホワイトハウスの発表によると、ジョー・バイデン大統領は「この変異株は急速に広がっているようだ」と述べ、南アなど8カ国からの旅行客に対する入国制限を決定した。29日から本格的に実施される。

 米国、欧州、日本、シンガポールなどの国々がオミクロン株の流入を遮断するため、先手を打ってアフリカ諸国に対する旅行制限措置と南アからの旅行者の入国禁止を決めたことから、韓国の防疫当局も入国制限を急いだとみられる。

 防対本によると、ここ5週の間にアフリカから入国した感染者は22人。彼らが感染したウイルスに対して変異検査を実施した結果、14人はデルタ株への感染と確認された。残りの8人は、検体に含まれるウイルス量が少なすぎて変異分析が不可能だったため、「分析不可」と判断された。オミクロン株への感染者は現在のところ確認されていない。防対本は「オミクロン株の海外での発生状況、国内への流入および国内での発生を監視しつつ、オミクロン株のスパイクタンパク質の遺伝子分析による変異株PCRを開発し、普及させる予定」と述べた。

 韓国では今月1日の段階的日常回復の開始以降、毎日4000人前後の感染者が発生するとともに、重症患者が600人をはるかに超えるなど、感染症に対応する保健医療システムにかかる負担が重くなっている。この日午前0時現在で、過去24時間以内に発生した死者は52人で、過去最多。60代以上の高齢層の感染者の増加による現象と分析される。この日の新規感染者数は4068人。

イ・ジェホ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1021085.html韓国語原文入力:2021-11-28 16:25
訳D.K

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