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[社説]親日勢力の「慰安婦高収益」という侮辱、容認できない

登録:2020-05-13 04:34 修正:2020-05-13 07:51
『反日種族主義との闘争』代表著者のイ・ヨンフン李承晩学堂校長(中央)を始めとする著者らが11日午前、記者会見をしている=イ・ジョングン記者//ハンギョレ新聞社

 露骨な親日歴史書である『反日種族主義』の著者らが続編の本を出し、「慰安婦は高収益」などの主張を繰り返している。日本軍「慰安婦」被害者を再び侮辱する“二次加害”だ。

 イ・ヨンフン元ソウル大学教授などの親日学者やジャーナリストが11日に発刊した『反日種族主義との闘争』は、昨年出版された『反日種族主義』と同様に、慰安婦問題を始め強制動員や独島問題などに関して、統計数値や回顧録の中の一部の内容を選択的に取り上げたり誇張する方法で歴史を歪曲している。イ・ヨンフン元教授は「日本軍慰安所は後方の公娼制に比べて高労働、高収益、ハイリスクの市場」だったとして「慰安婦全てが略取や誘拐犯罪の犠牲者であることはあり得ず、一定部分は元々売春産業に従事していた女性だった」と主張した。すでに学界ではもはや主張されない、銃刀を身に着けた日本軍が被害者を連れて行く映画の場面を批判の材料にして、慰安婦の強制動員を否定する。また、フェミニズム用語を借りて慰安婦被害者は貧困と家父長制の犠牲者と強弁し、日本政府と軍の慰安婦動員と慰安所運営の責任を隠蔽する。

 彼らが昨年に比べて歴史歪曲の政治的意図をより明確に示した点も注目される。イ元教授は本の序文などで、文在寅(ムン・ジェイン)政権が「反日種族主義、親中事大主義」だと非難する。また本の末尾では、強制動員被害者の陳述が「嘘の行進」だとして、韓国最高裁の強制動員賠償判決を酷評する。彼らは本の発行日を朴正煕(パク・チョンヒ)軍部がクーデターを起こした5月16日に定め、付録として李承晩(イ・スンマン)元大統領の業績を称える小冊子も出した。親日極右勢力を結集して、慰安婦と強制動員被害問題を解決しようとする文在寅政権の努力を妨害しようとする意図は明らかだ。

 彼らの本は日本語に翻訳されて日本の極右勢力から歓迎を受けている。韓国と日本の極右が玄海灘の向こうで手を取り合って歴史歪曲を増幅させているが、特にその主戦場が「慰安婦」問題だ。日本軍から大きな苦痛を受けても独裁政権時代に沈黙を強要された慰安婦被害者たちは、1991年の故キム・ハクスンさんの証言を皮切りに、多くの活動家や市民と手を取り合って真実を知らしめた。このような努力は国際社会に拡散し、戦時性暴力で苦しむ全世界の女性と連帯する人類史的な人権運動になった。それでも韓国と日本の極右勢力は、相変わらず慰安婦人権運動の30年の歴史を毀損しようとする挑発を止めないでいる。決して容認されてはならないことだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/944665.html韓国語原文入力:2020-05-13 02:43
訳M.S

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