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[社説]G20首脳会議、新型コロナへの“国際協力”の出発点になるべき

登録:2020-03-26 06:43 修正:2020-03-26 07:41
文在寅大統領が今月24日、大統領府でドナルド・トランプ米大統領と電話会談を行っている=大統領府提供//ハンギョレ新聞社

 主要20カ国・地域(G20)首脳によるテレビ会議が26日に開かれる。今回の首脳会議は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の前例のない世界的な広がりが重大なヤマ場を迎えている時点で開かれるため、特に注目を集めている。感染病の防疫と治療、感染病の蔓延による世界的な経済危機に能動的に対処するための国際協力と協力体制が作られる転機になることを期待する。

 昨年末、中国でウイルスが初めて発見されて以来、各国の感染病対策は概して一方的な外国人の入国禁止や医療装備搬出禁止など、「自分さえ助かればそれでよし」と言わんばかりのものだった。特に、米国と中国は一時、感染症の発病と感染拡大の責任を互いに押し付けるなど、激しく対立した。

 しかし、ウイルスには国境がない。効果的な防疫のためには、国際社会が互いに協力し、共同対応を取る必要がある。全世界が緊密につながったグローバル時代に「わが国だけはウイルスの流入を許さない」というのは幻想に近いからだ。COVID-19の前例のない感染力からして、地球のどこかにウイルスが残っている限り、どの国も安心できない。“地球共同体”の精神でともに協力していかなければならない。

 今、全世界が感染拡大で受けている被害は重層的だ。多くの人々が健康と生命に脅かされているだけでなく、貿易や投資、生産活動などが止まり、経済的困難が増している。今回のG20首脳会議では、防疫のために感染病の外部流入を遮断し、同時に国際間の経済活動を合理的に保障する均衡点が模索されなければならない。また、防疫システムと臨床経験の共有や迅速なワクチンと治療薬の開発などに向けた国際協力、経済衝撃を最小化する財政政策と通貨政策の調整も話し合う必要がある。

 G20首脳会議は今月13日、文在寅大統領がフランスのエマニュエル・マクロン大統領と電話会談した際に初めて提案したものだ。韓国は今回の感染病の防疫で先導的位置にあると国際的に評価されている。多くの国が韓国のCOVID-19防疫経験を注視しているという。ドナルド・トランプ米大統領が24日、文大統領に医療装備支援を要請したのは、(COVID-19への対応における)韓国の高い地位を端的に物語っている。文大統領は今回の首脳会議で、韓国の防疫経験や事例を国際社会と共有し、発展させていく上で主導的な役割を果たしてほしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/934201.html韓国語原文入力:2020-03-26 02:53
訳H.J

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