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[社説]「強対強」反転の契機にならねばならないビーガン訪韓

登録:2019-12-16 06:43 修正:2019-12-16 11:17
スティーブン・ビーガン米国北朝鮮政策特別代表が15日訪韓した//ハンギョレ新聞社

 スティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表が15日に訪韓した。北朝鮮はビーガン代表の訪韓を翌日に控え、6日ぶりに再び「重大な実験」を行ったと発表した。北朝鮮の「重大な実験」に対して米国は再度北朝鮮を「不良国家」の名で呼んだ。朝米対立の局面が対話で解けるか、最悪の対決に走り出すかの分かれ道が目の前に見える、危険な状況だ。ビーガン特別代表の訪韓が事態反転の一大契機になるのを期待する。

 北朝鮮が13日に行なった2回目の「重大な実験」は、大陸間弾道ミサイルの燃焼実験の可能性が高いと見られる。北朝鮮が「戦略的核戦争の抑制力強化」との表現を使ったことから、そのような可能性を読み取れる。「年末の期限」が差し迫った時点で、人工衛星ではなく大陸間弾道ミサイル発射に直行しようとするのではないかとの観測が出るのもそのためだ。北朝鮮が観測どおりに発射を強行することになれば、朝米対立は2017年以前の状況に戻ることになり、北朝鮮は今よりはるかにひどい国際制裁の状況に置かれるしかない。北朝鮮は危険な自殺行為を直ちに止めなければならない。

 朝米の対決は「崖っぷちチキンゲーム」の様相だ。パク・ジョンチョル北朝鮮軍総参謀長は「重大な実験」発表後、米国に対して「私たちを刺激する言動を控えれば、年末を穏やかに過ごせるだろう」と警告した。北朝鮮の「重大な実験」直後にマーク・エスパー米国国防長官が「北朝鮮が核兵器保有に続き大陸間弾道ミサイルを開発しようとするならば、米国の直接的脅威になる」として北朝鮮を「不良国家」と名指ししたことに対する正面対抗だ。ただし、まだわずかな対話の可能性は残っている。パク総参謀長が「対話も対決も遠ざけてはならない」と言ったのは、まだ対話の扉を閉じていないことを仄めかしたと見ることができる。

 17日まで予定されている訪韓期間中に、ビーガン代表は北朝鮮が望めば直ちに会うという立場であると知られている。訪韓日程を緩く取っているのもこのためだと見られる。ビーガン代表にどのような腹案があるかは、まだ具体的には分からない。16日午前にビーガン代表が大統領府を訪問して文在寅(ムン・ジェイン)大統領に会うことにしたため、ここで朝米対立状況に関して深い対話が行われるものと見られる。このまま行けば、北朝鮮が挑発的な対応に出ることは明らかで、朝鮮半島平和プロセスは重大な危機に直面せざるを得ない。政府はビーガン代表訪韓期間中に対話の糸口を見いだせるよう、可能な限りの努力を尽くさなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/920879.html韓国語原文入力:2019-12-16 02:36
訳M.S

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