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北朝鮮、13日夜に東倉里で再び「重大な実験」…“7分”の秘密とは

登録:2019-12-16 06:13 修正:2019-12-16 08:00
軍情報当局、「新型多段式ロケット」の可能性に重点 
ICBMなのか衛星なのか…目的の判断はまだ早い 
燃焼時間の長いエンジン、弾頭の安定的・持続的移動を支える
米国の北朝鮮専門メディア、38ノースは今月12日(現地時間)、北朝鮮が「極めて重大な実験」を行ったとした平安北道鉄山郡東倉里の西海衛星発射場で、長さ10メートルのトラック道などが捉えられるなど活動が続いていると報じた=38ノースホームぺージよりキャプチャー//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮国防科学院は14日午後、「東倉里(トンチャンリ)ミサイルエンジン実験場」として知られる西海衛星発射場(平安北道鉄山郡)で13日夜に「重大な試験が再び行われた」と発表した。北朝鮮は6日前の今月7日にも同じ場所で「重大な実験」を進めたと明らかにした。今度は以前と異なり、異例にも実験の具体的な実施時間(「13日22時41分から48分まで」)を公開した。7分間にわたる重大な実験の公開で、北朝鮮が外部に知らせようとしたのは何だろうか。

 韓国軍と情報当局は15日午後まで、13日に行われた北朝鮮の「重大な実験」と関連した情報の判断・分析結果をメディアに公開していない。ただし、7日と13日の「重大な実験」が新型多段式ロケットを開発するためのものだと分析しているという。韓国政府は、北朝鮮が開発するという新型多段式ロケットが、以前より改善された大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射に使われるか、それとも衛星の打ち上げに使われるかについて、確実な判断を保留している。ICBMであれ、衛星であれ、発射するためには技術的には2つ以上のエンジンが必要だ。

 北朝鮮は7日と13日の実験に使われた「新しい技術」が「もう一つの戦略兵器の開発にそのまま適用されるだろう」(14日、パク・ジョンチョン朝鮮人民軍総参謀長談話)と述べた。新しい技術が適用された新型「戦略兵器」を開発しているということだ。

 北朝鮮は実験の過程や結果、それに関連した詳細内容と写真を具体的に公開していないが、“7分間”という実験の進行時間はミサイルエンジンの燃焼時間を意味するものと見られる。このような情況をもとに、専門家らは北朝鮮が実験した「新しい技術」が中小型の新型2段液体エンジンである可能性が高いと見ている。小さな液体エンジンは燃焼時間が一般的に7~8分であり、長ければ10分に至る場合もある。

 ミサイルは1段エンジンの推進力を利用し、地上から空に浮かび上がる。高空に突入してから再び2段エンジンの力で追加飛行を行う。一般的に、出力が大きくなる1段エンジンは燃焼時間が7分まで至らない場合が多い。北朝鮮が2017年発射したICBMに活用された1段エンジン(白頭山エンジン)も燃焼時間が200秒(3分20秒)ほどだった。これを踏まえ、今回北朝鮮が試験したエンジンは2段エンジンである可能性が高いと専門家らは見ている。

 1段エンジンより出力の小さい2段エンジンは、燃焼時間が長く、軌道を調整するためにエンジンを切ったり再稼働させたりして間欠的に燃焼を行えば、7分までも長引かせることもできるという。ICBMと人工衛星いずれの場合も同じだ。

 北朝鮮が14日の「国防科学院報道官の発表」で、今回の実験が北朝鮮の「戦略的核戦争抑止力を一層強化するのに適用されるだろう」と明らかにしたことから、今回の実験が衛星よりはICBMの可能性が高いと見られているが、技術的にはいずれにも活用できるというのが専門家たちの評価だ。燃焼時間が7分ならば、該当エンジンを装着したミサイルは従来の北朝鮮ミサイルよりさらに重い弾頭または複数の弾頭を安定的かつ持続的に運べるようになる。

 北朝鮮は今回、異例にも夜11時近くの深夜に実験を行ったが、これは米国の監視・偵察資産に見つかるリスクを最小化するためと見られる。相対的に捉えるのが難しい夜間実験まで行い、米国に態度の変化を促して圧力をかけたということだ。

ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/920872.html韓国語原文入力:2019-12-16 02:30
訳H.J

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