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[社説]ビーガン訪韓、今回が最後の機会だ

登録:2019-12-13 07:02 修正:2019-12-14 07:00
スティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表=資料写真//ハンギョレ新聞社

 米国のスティーブン・ビーガン国務省北朝鮮政策特別代表が15日に2泊3日の日程で訪韓する。朝米非核化交渉が重大な岐路に立つ時点で行われる訪韓であるだけに、特別に注目するほかない。関心はビーガン代表が訪韓の期間中に果たして北朝鮮側と会えるかに集まっている。北朝鮮が「重大な試験」を行ったと明らかにした上に「年末期限」を目前にしたところなので、今回の訪韓が朝米間で意味ある出会いの最後の機会と言っても過言でない状況であるためだ。

 ビーガン代表の訪韓を控えた米国は、強穏両面作戦を駆使している。11日(現地時間)に開かれた国連安全保障理事会会議で米国は、北朝鮮が人工衛星や大陸間弾道ミサイルを発射したら機会を失うことになると警告した。同時に米国は「北朝鮮と並行して行動し、同時に措置を取り、柔軟にアプローチする準備ができている」という点を強調した。今までの米国の態度と特に異なるものではないが、北朝鮮に対して融和的態度を示すことがやや強調されており目を引く。当初は北朝鮮の人権問題を扱おうとしていたのを米国の要請で会議の議題を変えたことにも、北朝鮮を刺激しないという米国の意図が現れている。

 しかし、このような柔軟なジェスチャーが北朝鮮を動かせるかは分からない。この日の安保理会議で中国とロシアは「安保理が制裁を緩和するのが緊要だ」として「制裁緩和ロードマップ」を用意しなければならないと主張した。中国とロシアが北朝鮮の立場を代弁する側に立っていることを考慮すれば、北朝鮮の最大の関心事が「制裁緩和」であることが読み取れる。10月のストックホルム実務交渉でも米国が制裁緩和の順位を下げたことに北朝鮮が反発して交渉が壊れたことが伝えられている。制裁緩和が中心議題に上らずには朝米対立が容易に解けないことは察せられる。

 北朝鮮と米国の要求事項はある程度明らかになった。カギは「朝米がお互いの立場にどのくらい近づくか」だ。今回の訪韓でビーガン代表がドナルド・トランプ大統領の親書を携帯したり、新しい協議案を持って来れば、朝米の真剣な出会いが行われる可能性は高い。しかし、十分な準備なしで来る場合、今回の訪韓でも成果を出すことができずに無為で終わることがあり得る。北朝鮮も米国の譲歩だけ待って強硬な態度で一貫すれば、虻蜂取らずで全てを失う結果を迎えることがあり得ることも肝に銘じなければならない。朝米は今回の機会を最後だと思い、何があっても直接会って談判するという覚悟を固めなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/920632.html韓国語原文入力:2019-12-13 02:38
訳M.S

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