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[社説]15万の平壌市民の前で非核化を説いた文大統領

登録:2018-09-21 07:47 修正:2018-09-21 08:09
分断後初めて南の首脳が北で演説
白頭山頂の両首脳の意味深い足跡
米国の迅速な交渉対応に注目
文在寅大統領と金正恩委員長が今月19日夜、平壤5.1競技場で開かれた南北首脳会談を祝うマスゲームと芸術公演「輝く祖国」を観覧するため入場した後、手を挙げて挨拶している=平壌/写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮訪問の最終日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が一緒に白頭山(ペクトゥサン)に登った。20日午前、文大統領と金委員長は白頭山頂の将軍峰に登り、天池が広々と見下ろせる所で取り合った手を掲げた。南北首脳が民族の精気が宿る白頭山頂に共に登ったのは、南北和解の歴史を画したものというに値する。両首脳夫妻は随行員らと共に天池に降り、共に散歩した。文大統領夫妻は漢拏山(ハルラサン)から持ってきた水を天池に注ぎ、再び天池の水を漢拏山の水が入っていた瓶に移し入れた。文字どおり「白頭と漢拏の合水」だ。両首脳夫妻が白頭山頂に登り天池を共に散歩したのは、4月の板門店宣言の散策橋の散歩に続くもう一つの意味深い足跡として記憶される。

 特に文大統領が19日、平壌市民の前で行った演説は歴史に刻まれるできごとと言える。南の大統領として北の同胞の前で演説をしたのは、分断以来初めてだ。平壌「5・1競技場」をびっしりと埋めた平壌市民15万人の熱い拍手と叫び声の中で、文大統領は今回の北朝鮮訪問と首脳会談の成果を告げ、民族の平和と繁栄を力説した。文大統領は「白頭山から漢拏山まで、私たちの山川を永久に核兵器と核脅威がない平和の根源地にし、子孫に譲ろうと(金委員長と)確約した」と明らかにした。南の大統領が平壌市民の前で「南北首脳の非核化の意志」を公けに明らかにし、市民の熱い呼応を受けることによって今回の首脳会談の重大成果にまた別次元の公式性を付与したと同時に、北朝鮮の非核化の意志が北朝鮮住民たちと共有されたことを米国と全世界に知らせたといえる。

 文大統領は演説で「金委員長と北の同胞がいかなる国を作っていこうと思っているのか胸を熱くして見た」とし、「厳しい時期にも民族の自尊心を守って立ち上がろうとする不屈の勇気を見た」と述べた。北の同胞が体験した困難に触れ、その困難を勝ち抜くために注いだ努力を評価したことは、遠ざかった南北が近づくのに再び大きく貢献するものと見られる。文大統領の演説が南北の和解と繁栄のための努力に大きな力になったと信じる。

 南北首脳が平壌の首脳会談で一緒に作り出した「非核化合意」が、米国の素早い動きにつながっているのは喜ばしいことだ。トランプ大統領は北朝鮮に関連して「大きな進展」があるとし、金委員長にまもなく会うと明らかにした。ポンペオ国務長官は首脳会談の「成功」を祝い、北朝鮮が国際視察団の参観のもと、東倉里(トンチャンリ)のミサイル試験場と寧辺(ヨンビョン)の核施設を永久的に廃棄する意向を明らかにしたことに対して歓迎の意向を明らかにした。北朝鮮と米国の関係改善のための交渉に直ちに参加するという意志も明確にした。一部では、今回の合意が何の実質的進展もないと揶揄しているが、米国の公式反応は全く違うという点は注目するに値する。来週に開かれる朝米と、韓米の首脳会談に期待する。

 文大統領の2泊3日の平壌訪問は、予想を越える大きな成果を引き出した。金委員長が約束どおり韓国を訪問すれば、南北関係は過去とは全く違う質的な跳躍をすることになるだろう。南北首脳の平壌での出会いが、朝鮮半島の恒久的平和定着と共同繁栄に向かって後戻りできない転換点になることを願う。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/863016.html韓国語原文入力:2018/09/20 18:29
訳T.W

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