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米国「北朝鮮と直ちに対話する準備」…ポンペオとビーガンのツートラックを稼動

登録:2018-09-21 06:16 修正:2018-09-21 07:23
朝米対話へと転じた米国 
平壌宣言後、ポンペオ長官が速やかに声明発表 
リ・ヨンホ外務相とニューヨークの国連総会で会い 
ビーガン特別代表とはウィーンで実務交渉 
北朝鮮、宣言のほか「プラスアルファ」提示したもよう 
 
米国「非核化2021年1月まで」受け入れる 
11月の中間選挙前に交渉の成果出せば  
第2回朝米首脳会談と終戦宣言が急進展する見込み
ポンペオ米国務長官(右)とスティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表//ハンギョレ新聞社

 米国政府が「平壌南北首脳会談の成功」を祝い、北朝鮮との非核化交渉を即時再開すると明らかにした。まず、来週末にニューヨークの国連総会でマイク・ポンペオ国務長官とリ・ヨンホ北朝鮮外務相が会談し、スティーブン・ビーガン国務省北朝鮮政策特別代表と「北朝鮮代表」のオーストリア「ウィーンチャンネル」が開かれるものとみられる。平壌共同宣言が出た翌日に朝米対話が急進展を見せたことで、「10月第2回朝米首脳会談」と「年内の朝鮮戦争の終戦宣言」が実現する可能性が高まっている。

 ポンペオ長官は19日午後(現地時間)、声明を発表し、「米国は文在寅(ムン・ジェイン)大統領と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長に対し、成功的な首脳会談の結果をお祝いする」と明らかにした。さらに、「文大統領と金委員長が米国と国際原子力機関(IAEA)査察団の立ち会いのもと、寧辺のすべての施設を永久に解体することを含め、朝鮮半島の完全な非核化に関するシンガポール共同声明を再確認」し、「東倉里(トンチャンリ)ミサイル実験場を米国と国際的査察団が見守る中、永久廃棄処分する作業を完了するという決定」を下したことを歓迎すると述べた。これに先立ち、「とても大きな進展」だと述べたドナルド・トランプ大統領と似たような評価だ。

 ポンペオ長官は「米国は朝米関係を転換するための交渉に直ちに参加する準備ができている」とし、ポンペオ長官とリ・ヨンホ外務相による閣僚級チャンネルと、ビーガン特別代表が北側の相手を「最も早い機会に」会う「ウィーンチャンネル」など、「ツートラック」チャンネルを稼動する意向を示した。彼は一連の対話が「2021年1月までに完成される北朝鮮の迅速な非核化の過程を通じて、朝米関係を変化させる契機になる一方で、朝鮮半島の持続的かつ安定的な平和体制を構築するための交渉の出発点になるだろう」と述べた。「2021年1月」はトランプ大統領の1期目の任期が終わる時点だ。これは、金委員長が今月5日、文在寅大統領の対北朝鮮特別使節団に明らかにしたタイムテーブルを米国側が受け入れたことを意味する。

 米国の対応は平壌の共同宣言発表から15時間後に出たもので、非常に素早い動きだ。金委員長が肉声で非核化への意志を明らかにしており、「相応措置」を掲げた条件付きではあるものの、寧辺核施設の永久廃棄の意思まで明らかにした点を評価したためと見られる。「プラスアルファ」が米国に渡されたのではないかと予想する専門家らもいる。ポンペオ長官の声明に登場した「寧辺のすべての(核)施設の解体に、米国と国際原子力機関査察団が参観する」という文言は、平壌の共同宣言にはない内容だ。トランプ大統領も平壌の共同宣言には含まれていない北朝鮮の「核査察の受けいれ」をツイッターで言及した。チョン・ウィヨン大統領府国家安保室長は平壌の共同宣言を説明するブリーフィングで「(南北首脳間に)共同宣言の内容のほかにも、多くの議論があった。これを基に、来週初め、韓米首脳会談で非核化交渉を加速化できる案について、踏み込んだ協議が可能になった」とし、未公開合意があることを示唆した。

 米国を迅速に動くようにした他の主な背景に、11月6日の中間選挙も挙げられる。選挙を控えて大きな外交的成果を得たいトランプ大統領の欲求が速度戦につながったということだ。

 これによって、北朝鮮の核交渉はニューヨークの国連総会をきっかけに25日に開かれる韓米首脳会談や、それに続く朝米外相会談、近く予想されるウィーンでの実務交渉で再跳躍するかどうかが決まるものとみられる。北朝鮮がウィーン実務交渉にも応じれば、朝米交渉チャンネルが、首脳-長官-実務ラインにつながり、強化される効果がある。

 交渉では、北朝鮮が要求する終戦宣言など米国の相応措置、北朝鮮が言及した寧辺核施設の永久廃棄に向けたロードマップなどに関する具体的な議論が行われるものとみられる。 その成果によって、2回目の朝米首脳会談と終戦宣言の年内署名なども見えてくることになる。

 朝米関係に詳しいソウルの外交消息筋は「かつての交渉では寧辺核施設の凍結・不能化くらいにとどまり、永久廃棄の処分まで取り上げられなかった。『過去を踏襲しない』という確固たる立場を持っているトランプ政権にとって、『永久廃棄』は魅力的な誘引策」だと話した。さらに、彼は「身動きが取れない状況から、やっとサイが投げられたわけだから、もう廃棄の時期や範囲、形式、検証方法をめぐり交渉するだろう」と見通した。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員、キム・ジウン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/862973.html韓国語原文入力:2018-09-20 21:40
訳H.J

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