登録 : 2017.09.06 22:54 修正 : 2017.09.07 07:24

パク・ミンヒ国際エディター//ハンギョレ新聞社
 日本の谷内正太郎国家安全保障局長は「安倍の外交策士」と呼ばれる。1969年に外務省に入り、米国、フィリピン大使館などで勤め、条約局長、外交政策局長、事務次官を務めた。中国の浮上に対応し、韓米日軍事協力を強化する戦略を長期的かつ緻密に推進してきた。北朝鮮の核・ミサイル挑発を口実に、米日同盟を強化し、その従属的パートナーとして韓国を固定させる戦略を駆使し、中国と北朝鮮を口実に日本の軍事力を強化している。

 中国共産党の王滬寧中央政策研究室主任は、習近平の外交策士であり「中国のキッシンジャー」と呼ばれる。最年少で上海復旦大の教授になった国際関係専門家であり、1995年に40歳で江沢民主席の参謀に抜擢された後、胡錦濤、習近平に至るまで三人の指導者の統治・外交戦略を設計した。最近十数年間、中国指導者の首脳会談のたびに常に彼が登場した。米国の牽制に対抗し、アジアで中国の影響力を拡大して「核心利益」を確実にする布石を一手一手打っている。中国外交には、王滬寧と共に楊潔チ外交担当国務委員、国際舞台の「京劇俳優」と呼ばれるほどの華麗な外交術を見せる王毅外交部長が布陣している。

 韓国外交には戦略家の姿が見られない。チョン・ウィヨン国家安保室長を中心にした大統領府外交安保チームの戦略不在に対する憂慮があちこちから出ている。陣痛の末に最近発表された米中日ロ「4強大使」の人選も、目立つのは大統領の側近という点だけで、専門性も果敢さも見られない。

 過去4カ月余り、文在寅(ムン・ジェイン)政府の外交を見て、米国の圧迫と要求には対応できず、中国との関係は期待から失望に変わり、米国と密着して韓国を動かそうとする日本にもまともに対処できなかった。ロシアは北朝鮮との関係を強化して、東アジアにおける発言権を高めようとしている。

 6月の韓米首脳会談が最初のボタンを掛け違えた。朝鮮半島の状況に対する韓国としての準備をした後に韓米首脳会談を行なうべきだという意見もあったが、「米国優先」主張に押し切られた。首脳会談を控えて米国に行ったムン・ジョンイン統一外交安保特別補佐官が「北朝鮮が核・ミサイル活動を中断すれば米国と協議して韓米連合軍事訓練を縮小しうる」という発言をめぐり、保守勢力が攻撃し大統領府が「個人的発言に過ぎない」として距離をおくのに汲々としたことは不安な信号であった。

 取り急ぎ首脳会談を調整する過程で、米国はTHAAD(高高度防衛ミサイル)の早期配備を圧迫し、それに韓国は屈服した。環境影響評価と配備決定過程の再検討の約束は痕跡もなく消えた。THAAD配備による経済報復は、そっくり韓国がかぶった。最悪の韓中関係は、北朝鮮の核・ミサイル挑発が続いて韓中間の戦略的協力が絶対的に必要な時点にそれを不可能にさせている。

 さらに悲観的なことは、THAAD配備で弱点を見せた結果、トランプ大統領が韓国を最も扱い易い相手と感じて、韓国が巨額を支払わなければならない明細書を差し出し続けている点だ。米国内の政治的危機のために極右支持層の結集が緊急なトランプ大統領は「自由貿易協定撤廃」などと脅かして、米国にはるかに有利な改定に同意しろとの圧迫を露骨化している。ミサイルの弾頭重量制限撤廃を恩着せがましくしたが、「数十億ドルの米国産の兵器と装備の購入」がその見返りだ。

 北朝鮮の手がつけられない挑発と核・ミサイル問題の悪化という変数を中心に、朝鮮半島を取り巻く地殻プレートが揺れ動いている。容易な解決法はない。韓国の視角で明確な戦略的中心を捉え、新たな地図を描いて道を開く専門性と大胆さを兼ね備えた戦略家によって、新しい外交安保チームを構成しなければならない。北朝鮮の挑発のたびに制裁強化と新たな武器導入の注文だけしていては危機から抜け出すことはできない。

パク・ミンヒ国際エディター (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017-09-06 19:39
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/809953.html 訳J.S(1741字)
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