登録 : 2017.09.06 03:56 修正 : 2017.09.06 07:32

ソン・ヨンム国防長官「代案の一つ」発言で火がつき 
第1野党代表「戦術核の配備は核の傘の証」 
 
専門家ら「実効性も現実性もない」 
朝鮮半島非核化宣言に違反 
北朝鮮に非核化を要求する名分消え 
南北の核武装で一触即発の状態に

ソン・ヨンム国防部長官が9月4日午後、国会で開かれた国防委員会の全体会議に出席し、北朝鮮の6回目の核実験と関連した懸案業務報告をしている/聯合ニュース
 ソン・ヨンム国防長官が4日、在韓米軍の戦術核兵器再配備について「いくつかの代案の中の一つ」だと明らかにしたことで、これを巡る攻防が加熱している。国防部は5日、「朝鮮半島非核化原則に変わりはない」と線を引いたが、野党は同日も戦術核の再配備を強く求めた。しかし、戦術核の再配備は実効性も、現実性もないというのが、専門家らの共通した指摘だ。

 国防部のムン・サンギュン報道官は5日、定例記者会見で、ソン長官の前日の発言について「北朝鮮が6回目の核実験を行うなど、甚大な核・ミサイルの脅威を示す状況の中、軍事的レベルであらゆるオプションを検討し、現実的な対策を模索しなければならないという趣旨から出たもの」だとしたうえで、「韓国政府の朝鮮半島非核化原則には変わりがない」と釈明した。これに先立ち、ソン長官は前日の国会国防委全体会議に出席し、戦術核の再配備について「政府政策とは異なるが、北朝鮮の核の脅威を効果的に抑制し、対応するための様々な案の一つとして検討すべきだ」と述べた。

 自由韓国党は前日に続き同日も、北朝鮮による核の脅威に対応するため戦術核の配備をただちに推進すべきだとして、政府を圧迫した。ホン・ジュンピョ党代表は議員総会で「米国が本土にある戦術核の一部を韓国に配備する意思があるかどうかは、米国が核の傘で大韓民国を保護する意志があるかどうかの問題」だと主張した。

 在韓米軍が戦術核の撤退を発表したのはジョージ・ブッシュ政権時代の1991年9月27日だ。これを受け、当時盧泰愚(ノ・テウ)大統領は同年12月18日、在韓米軍の核兵器の撤収の終了を宣言し、南北は同月31日、第5回南北高官級会談を開いて、「朝鮮半島の非核化に関する共同宣言」(非核化宣言)に仮署名した。南と北はそれぞれの批准手続きを経て、翌年の1992年2月19日に宣言文を交換し、発効させた。名称は宣言だが、批准の手続きを経ており、法的拘束力を持つ。

 合わせて6項目からなる非核化宣言は、第1項で「南と北は核兵器の実験、製造、生産、受付、保有、保存、配備、使用をしない」と規定している。米国の戦術核が再び持ち込まれれば、非核化宣言の違反となる。一部では「北朝鮮が核武装に乗り出しているのに、韓国だけが宣言を守る理由がない」という声も上がっている。しかし、非核化宣言を廃棄して戦術核を再配備すると、北朝鮮に非核化を要求する名分もなくなる。結局、南と北がそれぞれ核武装した状態で対峙する一触即発の状況にならざるを得ない。

 戦術核の再配備問題については、米国からも懸念の声があがっている。ワシントンポストは同日、「米国の軍事専門家らは概して韓国に戦術核を再配備する考えに反対している」と報じた。「ジェームス・マーティン不拡散センター」のキャサリン・ディール研究員は「再配備と関連して最も懸念されるのは、判断を誤ったり意図しない緊張を高める余地がさらに大きくなること」だとしたうえで、米国の長距離弾道ミサイルや戦略爆撃機だけでも対北朝鮮抑止能力が「完璧に十分だ」と明らかにした。

 盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の元高官である外交安保専門家は「韓国が核を持ったとしても、米国(本土)に対する北朝鮮の(核・ミサイルの)脅威が解決されるわけではなく、(米国にとっては)むしろ心配事をもう一つ増やすようなもの」だとしたうえで、「韓国が核を持ったとしても、米朝が対立する状態では私たちに対する(北朝鮮核の)脅威もこれからも続くだろう」と指摘した。戦術核を再配備しても、北朝鮮の核の脅威が解決されたり、韓国の抑止力が高まるわけではないということだ。

チョン・イナン、キム・ジウン記者、ワシントン/イ・ヨンイン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2017-09-05 22:03
http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/809807.html 訳H.J(1797字)

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