憲法裁判所が10日、朴槿恵(パク・クネ)大統領弾劾審判事件に対する決定を宣告する。国会の弾劾訴追から3カ月ぶりだ。国政壟断事態による国家リーダーシップの崩壊と不安定、不確実性を治癒する道が今開けられることになった。憲法裁判所の賢明な決定により崩れた憲政を収拾できることを期待する。
憲法裁判所裁判官8人がどのような判断で、どのような決定を下すかはまだ分からない。裁判官はひたすら法と良心に従って判断するべきで、その決定は再びすべての国民と歴史の審判に委ねられるだろう。裁判官の判断根拠が足りないことはない。朴大統領の憲法・法律違反は十分に確認されたところだ。収賄と職権乱用などの犯罪行為の場合、在任中の刑事訴追が免除される大統領を除き関連者の大部分がすでに起訴された。主権者が委任した権力を、大統領がチェ・スンシル氏にむやみに渡し、チェ氏のために権力を振り回した事実も多数あらわれた。憲法上の国民主権主義と代議民主主義のき損だ。企業に金銭を要求し、代わりに特典を与えたことも市場経済秩序のき損だ。“セウォル号7時間”に大統領が何をしていたのかも相変らず分からないので、国民の安全を守らなければならないという憲法上の義務を果たさなかった。
これらの違反が罷免する程に重大なことかという判断も難しいことはないだろう。憲法裁判所は2004年の盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領弾劾審判の時にその基準を提示した。朴大統領が「憲法上与えられた権限と地位を乱用」したことは明白だ。国政壟断に国家機関をむやみに動員したことがその代表例だ。「大統領が国政を誠実に遂行するだろうという信頼が喪失」されたのは、“セウォル号7時間”の職務遺棄のためだけではない。検察と特検による捜査の結果、朴大統領は国政壟断事態で起こったすべての犯罪の中心にいたことがわかった。国政の誠実で公正な運営はとうてい不可能だ。収賄疑惑まで明らかになった以上、大統領の憲法・法律違反は他に類を見ないほど重大だ。すでに国民は「大統領朴槿恵」に対する信頼を失って久しい。「これ以上国政を任せられない」と皆が感じたので、既に全国が「朴槿恵以後」を準備していたのだ。今になってこれを戻そうとすれば、未曾有の不信と混乱、憲政のき損は避けられない。
朴大統領支持者は、もう憲法裁判所に対する悪口と攻撃を止めなければならない。憲法裁判所の決定に対する「不服従」を扇動すること自体が、憲政と法治を脅かすことで、大韓民国を否定する暴挙だ。直ちに朴大統領から承服を約束しなければならない。