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[社説]“猫の目”の経済予測で信頼失う韓銀

登録:2016-04-20 07:01 修正:2016-04-20 15:32
韓国銀行の経済成長率予測値と実際成長率。資料:韓国銀行(単位:%)//ハンギョレ新聞社

 韓国銀行は今年の経済成長率の予測を3%から2.8%に下げた。韓銀は19日の金融通貨委員会後、「輸出不振が持続する中で消費や設備投資の改善の流れが多少弱まっている」として経済成長率の下方修正の背景を明らかにした。

 経済は国内外の各種の要因が複雑多岐に絡まっていて正確に予測するのはかなり難しい。したがって変動要因が発生した際に修正するのは自然なことだ。しかしその受け入れにも限度がある。何度も予測を変え、また予測値と結果に大きな差が出れば信頼を失う。経済予測を間違えると政府が経済政策を立てるのに支障が出て、企業が事業計画を立てるのに迷いかねない。被害はそのまま国民に回ってくるのだ。

 韓銀は今年の経済成長率予測値を昨年4月に3.4%として示してから、これまで4回の修正を経て0・6%に下げた。昨年も年初は3.4%の経済成長を予測したが結果は2.6%だった。

 こうしたことが繰り返され、韓銀が政府の顔色を見て「バラ色の予測」を出しているのではないかと疑われかねない。実際に韓銀が1月に今年の経済成長率予測値を3%に据え置いた際は「政府に従っている楽観的な予測」という批判が多かった。韓銀に先立って企画財政部は昨年末に3.1%の予測値を出し、8月には当時のチェ・ギョンファン経済副総理がセヌリ党の勉強会で「来年の経済成長率を3%に引き上げて総選挙の助けになるようにする」と話したためである。韓銀のイジュヨル総裁は記者懇談会で「経済外の考慮はしていない。3%を楽観的と見ることはできない」と釈明したが、3カ月たって2%台に低くした。

 韓銀が中央銀行として持っている権威は独立性と専門性から生まれている。しかし独立性と専門性は、何者かが自然と与えてくれるものではない。自らが常に努力してこそ確保することができる価値あるものだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016/04/19 19:42

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/740398.html 訳T.W

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