登録 : 2016.04.12 07:06 修正 : 2016.04.12 08:22

8日午後、世宗路の政府ソウル庁舎で統一部のチョン・ジュンヒ報道官が北朝鮮集団脱北問題に関連するブリーフィングをしている=連合ニュース
 統一部が総選挙5日前に「集団脱北」事件を電撃公開した背景に大統領府の指示があったという。1カ月近く合同尋問の過程を経たうえ、身辺は公開しない慣行を破って急に発表したことは、総選挙に影響させようとする意図としか説明できない。世論の非難を押し切った朴槿恵(パククネ)大統領の選挙前線訪問の事実と合わせてみると、総選挙用の“北風”工作の臭いが濃い。

 統一部は慣例とは違って入国の事実を電撃公開したことについて「対北朝鮮制裁の局面において集団脱北がなされたという状況自体が異例的のため」として、総選挙との関連性を否認した。しかしそのような釈明の裏付けはまともには示しえなかった。

 今回の発表はさまざまな側面から深刻な問題を生んでいる。何よりこれまでは口を開けば「北朝鮮の人権」を強調していた大統領府と政府が、脱北者とその家族の人権は事実上見捨てた点を指摘せざるをえない。脱北者の身元が明らかになると北朝鮮の家族が不利益になりうるという点のため、これまでは公開に慎重だった。しかし今回は十分な調査が成される前に彼女らが働いていた食堂の名前までマスコミに明かした。「外交摩擦を憂慮して脱北者の身辺保護のために」脱北の場所や経緯を公開しないという統一部の説明ともつじつまが合わない。

 「対北朝鮮制裁以降、海外の北朝鮮の食堂が打撃を受けている」という統一部のスポークスマンの説明は、今回の公開の意図をよく表している。「北朝鮮当局から外貨上納の求めなどの圧迫が続いて相当な負担感を感じていた」という説明も付け加えた。単純に言えば、北朝鮮に対する政府の独自制裁が効果をあげていることを知らそうという趣旨のようだ。しかし政府の北朝鮮レストラン利用自制の方針は先月8日に始まったことを考えると、1カ月もたたずに効果が現れたと見るのは無理だ。

 選挙前の歴代の北風工作がそうだったように、今回も発表時期を鑑みると、安保に敏感な中高年層の有権者の投票心理に影響を及ぼそうとする本音が透けて見える。“親朴槿恵派”論争で与党の嶺南圏(慶尚道)の牙城が動揺し、首都圏でも支持率が落ちるなどの異常の兆候が見られるとすぐ、大統領府や国家情報院が選挙用の北風を企画しているようなものである。

 今回の発表が効果を現わしえるかは不明だ。しかし政府機関の選挙介入は明白な違法だ。1997年の大統領選挙前に北朝鮮に射撃を要請した「北朝鮮秘密取引き」の関連者らとクォン・ヨンヘ・安全企画部長ら、かつての北風の関連者は選挙後に刑事処罰を受けた。2月の国家情報院次長級総入れ替え人事の直後から憂慮されてきた国家情報院の選挙介入が実際に現れているとすれば、極めて深刻だ。ネットの書き込み事件の後遺症が去る前に再び「選挙介入」の火遊びを実行したとすると、見過ごすわけにはいかない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016/04/11 09:06

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/739123.html訳T.W

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