複数の政府関係者が明らかに
対北朝鮮制裁の效果を広報し
総選挙直前に保守票結集が狙い
統一部の反対・非公開慣例無視
政府が4・13総選挙を5日後に控えた8日、緊急記者会見を開き、海外の北朝鮮レストラン従業員の集団脱北の事実を発表したのは、大統領府の指示によるだったことが明らかになった。統一部は、脱北者と北に残された家族などの身辺安全のため、脱北の事実を公開してこなかった慣例などを理由に反対意見を出したが、黙殺された。総選挙を控え、政府主導の対北朝鮮制裁により北朝鮮内部が動揺している雰囲気を強調し、保守票を結集させる狙いが優先されたものではないかと指摘される。
10日、ハンギョレの取材結果、海外の北朝鮮レストラン従業員13人の集団脱北に関する緊急記者会見は、大統領府の指示によることが分かった。複数の政府関係者は「統一部の集団脱北の公開ブリーフィングは、大統領府の指示により急遽行われることになったと聞く」と話した。「統一部が集団脱北の事実を公開すれば、北側に残された家族の身辺が危険になり、脱北の事実を非公開にしてきた前例にも反するとして反対したが、受け入れられなかった」とも話した。
実際、今回の統一部報道官の集団脱北関連の記者会見は、予定もなく30分前に記者団に知らされた。北朝鮮の海外レストラン従業員らの韓国入国は7日に行われ、翌日の緊急ブリーフィングを通じて関連事実を公開したのも極めて異例だ。通常、脱北者が韓国政府に保護を要請したら、海外公館などに臨時収容した後に入国させ、入国後の国家情報院などの合同審問を経て、脱北者として保護するかどうかが決定される。だが、今回はこうした過程がほとんど省略されたまま、集団脱北の事実だけが先に公開された。
集団脱北事件の公開をきっかけに、政府省庁は休日でも一斉に「強力な対北朝鮮制裁が効果を発揮し始めた」と保守票を刺激する広報に積極的に乗り出した。統一部と外交部は10日、韓国政府による独自の対北朝鮮制裁と関連した非公開記者懇談会を、異例にも同時に開いた。統一部当局者はこの会見で「集団脱北は韓国政府の単独対北朝鮮制裁(3月8日発表)の波及効果」と明らかにした。さらに「北朝鮮住民と内部に及ぼす影響も相当なものと判断される。このような(集団脱北)事例が追加で発生する可能性も排除できない。同時に北朝鮮が対北圧迫に反発し、追加の核実験など無謀な挑発を選択する可能性もある厳しい時期」と述べた。外交部当局者も同時刻、「対北朝鮮制裁で北朝鮮船舶が港に足止めされている」と対北朝鮮制裁の効果を重ねて強調した。
韓国語原文入力:2016-04-11 01:41