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[社説]セヌリ党選挙公認に見る卑劣さと朴大統領の凡庸

登録:2016-03-19 09:00 修正:2016-03-19 23:38
セヌリ党公認管理委のイ・ハング委員長//ハンギョレ新聞社

 セヌリ党公認管理委のイ・ハング委員長が18日、劉承ミン(<ユスンミン>ミンは日に文、前同党院内代表)議員の公認問題に関し「今、(劉議員の決定を)待っているところだ。劉議員本人が決断するのが一番だ」と述べた。イ委員長は連合ニュースの電話取材に対し「これもあれもだめなら私たちが結論を出すしかない。劉議員が早く結論を下してくれたら私たちも早く仕事ができる」と答えた。実に卑怯極まりない態度だ。自分の手に返り血を浴びたくないので、何の罪もない劉議員を事実上公認から外し、自ら退かせるようにしているのを見ていると、イ委員長は最小限の良心と良識もなさそうだ。

 公認審査とは、政党が選挙に出る候補者を選ぶ手続きだ。選抜または脱落の権限を行使し、それに相応しい責任を負うよう、各政党は公認審査委員会または公認管理委員会という名の公式機構を構成する。審査対象の候補者に「自ら退くか離党しろ」などという公認結果発表を押し付けるのだから話にならない。いくら政界の公認が出鱈目だとしても、こんな奇怪な行動は聞いたこともない。すでに結論は決まっているのだろう。劉議員を公認から排除することがどれほど名分に乏しく、自信がないから、発表を先送りして自ら退いてくれと劉議員にボールを預けたことだろう。

 イ委員長が呆れた行動をする理由は明らかだ。 イ・ジェオ、ジン・ヨン、チョ・ヘジン、イ・ジョンフン議員などを脱落させたことに対する世論の批判が激しい上、“台風の核”となる劉議員まで公認から排除すれば、抗しがたい逆風にさらされるのが目に見えているからだろう。劉議員の返り血をなるべく浴びたくないから、公認決定を最高位に押し付けたたものの、それもうまくいかず、こういうやり方で責任を避けて劉議員を窮地に追い込んでいるのだ。誰もが知る不正と詐欺が堂々と行なわれていることが、今のセヌリ党公認の姿だ。

 政権与党の公認管理委員長が不当で卑怯な言動に明け暮れているのに、事態の原因を提供している朴槿恵(パククネ)大統領は、まるで自分とは無関係であるかのような態度でいる。卑怯なのは大統領も同じだ。むしろばっさり劉議員を公認から脱落させ、それに対する国民の峻厳な審判を受けるべきではないか。低劣さと策略に満ちた政権与党の泥仕合を、いったいいつまで見ていなくてはならないのか。朴大統領とイ・ハング委員長の愚行が国民には見えないのか。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-03-18 18:52

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/735709.html 訳Y.B

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