登録 : 2015.12.10 22:30 修正 : 2015.12.11 06:39

故ファン・ユミさんの父親ファン・サンギさんら「パンオルリム」メンバーが、ソウル・瑞草洞のサムスン電子本館前でサムスンの白血病など職業病被害者に対する“個別合意”の動きに抗議し座り込みを行っている =キム・ミンギョン記者//ハンギョレ新聞社
 サムスン半導体職業病問題が始まって8年目にしてサムスンは補償を始め、パンオルリムは座り込みを始めた。 これに対し様々なマスコミがパンオルリムの変化を求めている。「パンオルリム、自分の立場に固執して議論を遮る」(朝鮮日報)、「補償にまで反抗するパンオルリム」(中央日報)、「8年間、半歩も前に進めなかったパンオルリム」(東亜日報)、「反対ばかりの8年」(文化日報)など。果たしてそうなのか。パンオルリムは自分の立場だけ固執してきたか、そして変わらなければならないのも本当にパンオルリムだろうか。

 最近の状況だけを見てもパンオルリムの立場は大きく3回変わった。 最初は昨年末、サムスンが調整手続きの導入を強行した時だった。 当時サムスンは、調停委員会の構成まで確定しておきパンオルリムの参加を勧めたが、パンオルリムは調整手続き自体に反対した。 その時までの議論が全て原点に戻る憂慮のためだった。 しかし反対を続けようとすれば被害家族の苦痛が長引きそうだった。 結局、調整手続きに参加することにした。

 2回目は今年1月、調停委員会にパンオルリムの要求案を提出する時だった。 それ以前までパンオルリムは「職業病予防対策」の一環で「パンオルリムが推薦する専門家が参加する」外部監視機構の設置を主張してきた。 ところがパンオルリムが推薦権に固執すればサムスンも同様の要求をするだろうし、結局監視機構の独立性が毀損される恐れがあった。 そこで調整手続きに参加した後は「パンオルリムが推薦する」という部分を全て抜いたし、調停勧告案も公益法人の構成にパンオルリムが介入できる余地を残さなかった。(したがって「公益法人にパンオルリムが主な職務を占める可能性が高い」(ソウル経済)などの記事は全て偽りだ。)

 3回目は今年7月、調停勧告案を受け入れる時だった。 勧告案によれば、職業病被害者に対する補償は、サムスンの「寄付」による「社会的扶助」だ。 予防対策の核心である「オンブズマン制度」は権限が曖昧だ。 また、パンオルリムは「化学物質情報の公開」を要求したが、勧告案は「情報公開のための規定の制定」を提案しているだけだ。 それでも、パンオルリムはこれを全て受け入れることにした。 最も重要なことは「排除なく透明で公正な補償」だったためだ。

 では、こうした状況について再び尋ねてみよう。本当に変わらなければならないのはパンオルリムなのか、それともサムスンなのか。

 サムスンはこの問題と関連して自分らだけが常に正しいという独断と、外部介入は許容できないという閉鎖性を固守してきた。 現在の争点も単純だ。 職業病問題解決の全てのことを自身に任せてほしいというサムスンと、そうはできないというパンオルリムとの戦いだ。

 半導体職業病論議は2007年サムスンで始まって、2014年SKハイニックスに広がった。 SKハイニックスも初めは問題を否認していたがまもなく態度を変え、先月対策を発表した。 二つの企業の違いについてある報道機関は「(サムスン電子とは違い)市民団体の反対や干渉がなかったことも問題解決を助けた」(韓国経済新聞)と書いた。 だがSKハイニックスは問題の診断と対策準備を独立的な外部機構に任せた。 市民団体の干渉がなかったのではなく市民団体の参加を許容した。

 一方、サムスンはどうだったか。 半導体・LCD工場の職業病被害情報提供が220人余りに達したが、依然としてその工場の安全保健実態を診断した報告書を隠している。 最近では交渉途中に自社の補償手続きを強行し直接補償対象審査と補償額算定までしている。 独断の極限状態だ。 パンオルリムの路上座り込みはそんな中で始まった。 それでもパンオルリムがやりすぎているのか?

 一方、最近ハンギョレはキム・サンジョ教授の発言を引用して「パンオルリムも現実的条件を考慮した解決方案を深く考えてほしい」と書いた。 最初に列挙した3回の変化がその熟慮の結果だ。 全て深く悩み、重い選択をした。 それでもさらに深く考えなければならない「現実的条件」とは何か、具体的に教えてほしいくらいだ。 路上で座り込みして戦う私たちも本当に気になる。

イム・チャウン弁護士、パンオルリム常任活動家

韓国語原文入力:2015-12-09 20:50
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/because/721154.html 訳J.S(1855字)

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