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サムスン、白血病調停委に留保要請…被害者支援団体が座り込み突入

登録:2015-10-09 23:33 修正:2015-10-10 04:43
サムスン、個別協議を通した補償意向 
パンオルリム「再発防止と謝罪の回避が狙い」
故ファン・ユミさんの父親ファン・サンギさんら「パンオルリム」会員たちが、ソウル・瑞草洞のサムスン電子本館前でサムスン側の白血病など職業病被害者に対する“個別合意”の動きに抗議し座り込みを行っている =キム・ミンギョン記者//ハンギョレ新聞社

 脳腫瘍で視力・言語・歩行障害1級に認定された元サムソンLCD労働者のハン・ヘギョンさん(37)は8日の朝をソウル瑞草区のサムスン電子本館前で迎えた。夜中にからだの具合が悪い娘を看病した母親のキム・シニョさん(59)は「サムスンが補償だけして再発防止、謝罪問題は回避するために調整保留を要請した」として、「社会的対話を中断しようとしているので、辛くとも座り込みをするしかない」と話した。

 前日の7日に開かれた「サムスン電子半導体等事業場での白血病などの疾病発病関連問題解決のための調停委員会」(調停委)で、サムスンと家族対策委員会が補償委員会の活動を理由に調整保留を要請し、故ファン・ユミさんの父親ファン・サンギさん(60)とハン・ヘギョンさんの母娘など「半導体労働者の健康と人権を守るパンオルリム」は、その日すぐサムスン電子本館前での座り込みを始めた。 パンオルリムがサムスン白血病等職業病被害問題解決のために座り込みに出たのは4年ぶりだ。

 7日、調停委はサムスンが1000億ウォン(約100億円)を出捐して公益法人を作り職業病被害者に対する補償を行うとする7月23日調停勧告案を発表した後、2カ月ぶりに開かれた。 しかしすでに公益法人の設立を断り、今年9月に独自の補償委を設けたサムスンは、次回の調整期日を決めようという調停委の提案に保留を要請した。 また、この席でサムスン関係者は初めて「(補償委で)基準と原則が決まれば、当事者と個別的に会って合意の手続きを取る」として「個別合意」の意向を明らかにした。 補償委の性格についても「独立機構」とするサムスンと「内部諮問機構」とする家族対策委の代理人パク・サンフン弁護士(補償委員)の言葉が交錯した。 ファン・サンギ氏は「サムスンが作った補償委の基準が公正だという保障がなく、個別補償はサムスン職業病問題の社会的解決と相反する」として「再発防止と謝罪が抜け落ちた補償委を通した個別合意で補償問題だけを済ませようとしており、事実上調停委の提案を拒否した」と指摘した。

 これに対してサムスン関係者は「家族対策委が迅速な補償のために調停を保留してほしいと要請し、サムスンはそれに共感を示した」とし、「補償委への申請者を訪ねて行き補償申請を手伝い、決定された補償額に対する同意を得るために当事者を訪問し確認するという意味」と話した。 ただし、今後調停委への参加有無を尋ねる質問には「調停保留を要請した」と答えたのみで確答を避けた。

キム・ミンギョン、イ・ジョンフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/712079.html 韓国語原文入力:2015-10-08 21:40
訳J.S(1360字)

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