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[社説]一方的な海軍の済州・江汀地区篭城所撤去

登録:2015-02-02 08:04 修正:2015-02-02 08:26

 国防部は31日、済州島江汀(カンチョン)地区にある海軍基地の官舎工事の現場入口に設けられていた住民の篭城テントを強制撤去した。昨年10月25日からテントで座り込みをしてから99日ぶりのことだ。撤去の際に作業員と警察の約1000人と江汀地区の住民の間に衝突が起きて重軽傷者が続出し、住民と活動家の24人が連行された。海軍官舎の建設に反対する住民と活動家は8メートルの高さの見張り台に上がって鎖で体をくくりつけて抵抗することもした。カン・ウイル天主教(カトリック)済州教区長の説得のすえ14時間ぶりに見張り台の上の人たちが降りて、重い人命被害が出なかったのは不幸中の幸いである。

 今回の事態の責任は、住民の意思を無視して一方的に官舎の建設を押し切ろうとしている海軍にあくまであるというほかない。江汀地区の住民たちは、江汀地区の軍の官舎の建設推進は住民同意を前提とすると海軍が初めに言っていたのに、その約束を守っていないと反発する。実際、2013年11月にファン・キチョル海軍参謀総長は江汀地区の住民らに「海軍は今後住民たちと誠実に話し合って意見交換することによってこれまでの推進過程で起きた不信と誤解を解消して和合と共存の道を歩むように努める」と公言したことがある。そのうえで海軍は官舎の建設を押し切ったのだ。

 済州道が仲裁に乗り出したのに結局海軍は仲裁を拒否したことはより一層問題と言わざるをえない。済州道は先月江汀地区の郊外周辺地域にある適当な敷地を選んで代案として提示している。また海軍が受け入れれば軍官舎の建設が速やかに推進されるよう積極的な行政支援をするとも述べている。しかし海軍は済州道の提案では今年12月に合わせて軍官舎の建設を終えることは不可能だという理由で受け入れられないという決定をした。完工日を先に決めておいてその日程に合わない限り何の妥協もしないという態度は一方的な押しつけであって、対話と討論を通じた合意の姿勢ではない。済州道が適当な敷地まで見つけたのに日程を理由に掲げて拒否する海軍の姿は、市民の声に耳をふさいでいる“不通政府”とうり二つの形だ。

 ウォン・ヒリョン済州道知事は篭城所の海軍の強制撤去について「遺憾で残念である」と語ったが、このような形で消極的に遺憾表明だけしてすむ事ではない。ウォン知事は知事職をかけてでも問題を必ず解決するという姿勢でもっと積極的に事態解決に乗り出すべきである。今回の強制撤去による衝突とあつれきは、窮極的には軍の最高統帥権者である朴槿恵大統領の責任であることは言うまでもない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/.0/2.01 18:37

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/676270.html 訳T.W(1230字)

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