韓国人窃盗団が日本の対馬から盗んできた14世紀の高麗時代の観世音菩薩坐像の所有権を巡る控訴審に、日本の寺が参加し、返還を要求する予定だ。
東京新聞は23日付で、長崎県対馬観音寺側が大田(テジョン)高裁で行われている裁判に利害関係者として補助参加する意向を伝える文書を韓国に送り、同文書が前日裁判所に届いたと報じた。一審裁判に参加しなかった観音寺は所有権を主張する韓国の寺が勝訴したことを受け、二審には積極的だ。韓国文化財庁が裁判への参加を要求したという。現在、仏像は大田儒城区(ユソング)の国立文化財研究所の遺物収蔵庫に保管されている。
この騒ぎは2012年10月、韓国人窃盗団が対馬の観音寺から高さ50.5センチの高麗の観世音菩薩坐像を盗んで国内に持ち込んだことから始まった。その後、日本が高麗末期に盗んだ「略奪文化財」であり、元の所有者である瑞山(ソサン)浮石寺(プソクサ)に保管すべきだとの主張と、韓国人窃盗団による「盗品」だから、観音寺に返すべきだという意見が対立し、訴訟に発展した。浮石寺側は政府を相手に仏像の返還を求める有体動産引渡し訴訟を起こし、2017年の一審で勝訴判決を受けた。
しかし、これまで日本を相手に文化財返還運動を繰り広げてきた専門家らは、「仏像が略奪品だとしても、それを別の略奪で取り戻すのは正当化できない」として、返還すべきだと主張している。文化財庁も国際法に基づき、盗んだ文化財は返すべきだという立場を示している。