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トランプでも制御できない中国のレアアース…依存度の高い重要鉱物に関税除外

登録:2025-04-14 20:25 修正:2025-04-14 22:41
ゲッティイメージバンク//ハンギョレ新聞社

 米国の関税戦争が中国との一対一の全面戦争の様相に突き進む中、レアアース(希土類)など重要鉱物の多くは米国の相互関税の対象から外れた。米国が中国に対する関税率を大幅に引き上げながらも、「重要資源」だけは手を出せなかったのだ。こうした中、米政府がレアアースなどが含まれる海底鉱物「マンガン団塊」の備蓄を推進するとの報道が出た。関税戦争が原材料戦争に飛び火するかが注目される。

 2日(現地時間)に発表された米国の相互関税付属書をハンギョレが13日に分析した結果、レアアースや各種のレアアース酸化物および塩化物などの多くが相互関税適用対象から除外されたことが分かった。レアアースは電子製品をはじめ、電気自動車(EV)、風力発電機など、様々な産業分野の必須原材料だ。レアアースだけでなく天然黒鉛やコバルト、各種リチウム合成物なども相互関税適用対象品目から外された。

 これらの金属品目の大半は米国の中国依存度が高いものだ。一例として、EVの駆動モーターなどの製造に使われる「ネオジム磁石」は、米国の中国依存度が84%(2024年基準)に達する。スカンジウムやイットリウムなどのレアアースの中国依存度は78%、その他のレアアース酸化物と塩化物の依存度も75%だ。EVのバッテリー素材で、陰極材の原料である天然黒鉛の中国依存度は68%、コバルトは41%だ。

 中国が重要鉱物のグローバル供給網を握っているために起きたことだ。中国は全世界のレアアースの約70%を生産するだけでなく、精錬や製錬などの加工プロセスを独占している。全世界で採掘される黒鉛の約90%が中国で精錬され、精錬コバルトの75%以上は中国産だ。

 中国は圧倒的なサプライチェーン支配力を武器化する準備をすでに終えている。昨年末、民生・軍用の二重に活用できる品目の輸出を政府が制限可能にする法的根拠として「二重用途品目輸出統制条例」を設けた。これに基づいて4日には、ジスプロシウム、イットリウム、サマリウムなどのレアアース7種を輸出する業者は商務部で認可を受けるよう定めた。韓国貿易協会のチャン・サンシク国際貿易通商研究院長は「今後、米中関係がさらに膠着すれば、レアアースの切り札をさらに拡大して使う可能性がある」と話した。

 こうした中、米政府がマンガン団塊を国家戦略物資として備蓄するようにする行政命令草案を準備しているという英フィナンシャルタイムズの報道が出た。マンガン団塊は深海底にある鉱物資源で、主成分であるマンガンの他にも鉄、ニッケル、銅、コバルトなどの金属成分も含んでいる。フィナンシャルタイムズは「深海鉱物採掘権確保と精錬施設の準備を促進するためのもの」だとし「海底鉱物の採取が米国と中国の経済的・軍事的競争の戦線に浮上している」と報道した。

ナム・ジヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/global/1192205.html韓国語原文入力:2025-04-14 08:37
訳J.S

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