米国と日本が16日、外務・国防担当閣僚が参加する安全保障協議委員会(2プラス2)の共同発表文で、異例にも「中国」を4回も言及して批判するなど、今回の会談の目的が中国牽制にあることを明確にした。
米日は同日、東京で外相と防衛相がそれぞれ2国間会談を行ったのに続き、4人が出席した2プラス2を開いた。会談後の共同記者会見では「中国による既存の国際秩序に合致しない行動は、日米同盟と国際社会に政治・経済・軍事・技術的な課題を提起している」とし、「ルールに基づく国際体制を損なう、地域の他者に対する威圧や安定を損なう行動に反対する」と明らかにした。
米日の2プラス2には米国のアントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官、日本の茂木敏充外相と岸信夫防衛相が出席した。同会議は2019年4月以来2年ぶりに開かれたもので、バイデン政権発足後、閣僚級が日本を訪問したのは初めて。特に米日会談は韓米外務・国防担当閣僚協議(17~18日)と米中高官級会談(18~19日)に先立って行われたバイデン政権初の同盟外交という点で、象徴するところが大きい。
同日の会議では「同盟と共に中国を牽制する」というバイデン政権の対外政策基調が具体的な内容として示された。両国の閣僚は「米日同盟がインド太平洋地域の平和と安全、繁栄の礎になる」と強調した。また東・南シナ海をはじめ香港と台湾、新疆ウイグル問題を取り上げ、中国が「インド太平洋地域」の安定を損なうと批判した。ブリンケン国務長官は記者会見で、中国によって「多くの場所で民主主義や人権、法の支配という価値観が危機に陥っている」と述べた。また、中国の香港民主派弾圧などについては「力を使って攻撃している」と批判し、新疆ウイグル自治区については「人権を蹂躙している。これは国際法違反だ」と強調した。
米日は特に、中国政府が海警の武器使用を許可する「海警法」を施行したことについて「地域における混乱を招く動きについて深刻な懸念を表明」し、尖閣列島(中国名・釣魚島)問題が米国の対日防衛義務を定めた「日米安全保障条約第5条」の適用対象だと強調した。オースティン国防長官は「中国が威圧的な行動を取っている」とし、「これが米国地域の同盟国まで脅かしている」と述べた。
ブリンケン国務長官は「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向けた同盟と友好国の協力を強調した。記者会見で「インド太平洋地域は地政学的に重要な地域」だとしたうえで、「友好国や同盟国とともに共通の概念に基づき、強力な形ですべての人のために安全保障を獲得していかなければならない」と述べた。17~18日に韓国を訪問するブリンケン長官は「その後、韓国に行ってもこのようなメッセージを伝えたい」と付け加えた。「中国」や「クアッドプラス」には直接言及しなかったものの、韓国政府には少なからぬ負担になる見込みだ。