米国のアントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官が、韓国・日本の訪問を控えて「同盟国と共に中国牽制」というジョー・バイデン政権の対外政策の核心となる基調を繰り返し強調した。米国・日本・インド・オーストラリア4カ国のクアッド首脳会議(12日)と、両長官の日本、韓国訪問(16~18日)、米中外交長官会談(18日)へと続く一週間の息づまる外交折衝戦が持つ意味を積極的に浮き彫りにした。
16~18日に日本と韓国を相次ぎ訪問するブリンケン長官とオースティン長官は14日(現地時間)、ワシントン・ポストに「米国のパートナーは世界中の“戦力乗数”だ」というタイトルの共同寄稿を載せた。両長官は、韓国・日本訪問に先立ち、なぜ同盟が米国の国家安保に必須であり米国人の役に立つかを説明したいとし、寄稿の背景を説明した。
両長官は「我々の同盟は、我が軍隊が戦力乗数(Force multipliers・戦闘能力を倍加させる要素)と呼ぶもの」とし「我々は同盟と共にする時、はるかに多くのことを達成できる」と話した。両長官は「米国と韓国・日本の協力は、世界の安保・繁栄に核心的な広範囲な問題を扱う」として、北朝鮮の核兵器・弾道ミサイルプログラムと、気候変動、サイバーセキュリティー、新型コロナなどを挙げた。
両長官は特に「自由で開かれて人権・民主主義・法治尊重に基づくインド太平洋地域」が、米国の利益にも合致し、韓-米-日が共有する目標だと話した。さらに、こうしたビジョンを共有しない国として中国を名指しした。両長官は「中国は自分の道を行くために強制力を使おうとする意志がきわめて強い」として「我々の合わさった力は、中国の攻撃と威嚇を押しかえす時に我々を一層強くしてくれる」と話した。彼らは「中国が新疆ウイグル自治区とチベットで人権を蹂躪し、香港の自治を組織的に侵食し、台湾の民主主義を弱化させ、南シナ海で国際法に反する海上領有権を主張する時、我々は共に中国に責任を問うだろう」と強調した。
両長官は「米国は外交で世界をリードする」というバイデン大統領の発言を呼び起こし、「我々は世界で最も強力な軍隊を維持する」という点も共に強調した。米国と同盟の利益・価値を守るために、言葉だけでなく力の優位も維持するという話だ。
今月12日、初の首脳会議をオンラインで開いたクアッドの首脳たちもこの日、ワシントン・ポストへの共同寄稿で、事実上中国牽制のための協力強化意志を明確にした。ジョー・バイデン米大統領、菅義偉首相、ナレンドラ・モディ印首相、スコット・モリソン豪首相は、「我々4カ国は、自由で開かれ安全で繁栄するインド太平洋地域に専念する」というタイトルの寄稿を載せた。彼らは寄稿で、中国を直接名指しはせずに「最近数年間、そのビジョン(自由で開かれ、回復力があり包容的なインド太平洋)は、ますます試練に遭っている」として「その試練は最も緊急な国際的課題に共に対処しようとする我々の決心を強化させただけだ」と明らかにした。
米国が、4カ国の首脳と米外交・国防首長のマスコミ共同寄稿という形式まで動員して「同盟強化と中国封鎖」というメッセージ効果を最大化しようとしているとみられる。
米国務省はまた、ブリンケン長官のアジア歴訪を控えて、「揺るぎなき米日同盟の再確認」という資料を出し、米日同盟の重要性を強調した。国務省はこの資料で、米国と同盟の関係はもちろん、同盟どうしの関係も重要だとし「日本と韓国の関係以上に重要なものはない」と明らかにした。それと共に、北朝鮮の非核化や新型コロナ対応など、広範囲な国際懸案で韓-米-日の三角協力を強化していると強調した。米国はブリンケン長官らのアジア訪問で、韓日関係改善の必要性を強調するものと見られる。
ブリンケン長官は、アジア訪問後の帰国の途、18日に米国アラスカ州のアンカレッジで楊潔チ中国共産党外交担当政治局員と初の対面会談をする。