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中国けん制・北朝鮮の非核化…米国同盟外交の目まぐるしい1週間が始まる

登録:2021-03-16 08:55 修正:2021-03-16 16:50
バイデン政権発足後初の歴訪外交
バイデン政権の外交政策の行方を分ける歴訪日程//ハンギョレ新聞社

 米国のジョー・バイデン政権が、発足から約50日で外交政策の大枠を確定し、本格的な外交活動を始める。アントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官が16~18日、インド太平洋地域の二つの同盟国である韓国と日本を訪問し、「同盟とともに中国を牽制する」というバイデン外交の始まりを知らせる予定だが、韓国政府は複雑な心境でこの動きを見守っている。

 今年1月20日に就任したバイデン大統領は就任演説で、ドナルド・トランプ政権時代の「アメリカファースト」を捨て、「同盟を回復し、また世界に関与する」と宣言した。さらに2月19日、ミュンヘン安全保障会議でのテレビ演説では、全人類が「独裁と民主主義という二つの選択肢のうち、どちらを選ぶべきか」という根本的論争の真っ只中にあるとし、米国と同盟国が「中国と長期的かつ戦略的競争に備えなければならない」と呼び掛けた。こうしたバイデン大統領の考えは、3日に公開されたホワイトハウスの「国家安保戦略」(NSS)指針にそのまま盛り込まれている。中国を「安定的で開放的な国際システムに持続的に挑戦しうる唯一の競争相手」だとし、これに対抗するために米国の「同盟に新しい力を吹き込んで現代化する」覚悟を明らかにしたのだ。

 これをもとに、バイデン大統領は12日、中国牽制のために作られた米日豪印4カ国の安全保障協議体「クアッド」の首脳テレビ会議に参加した後、ブリンケン国務長官とオースティン国防長官の初の海外訪問地として韓国と日本を選んだ。彼らはトランプ政権時代に開かれなかった外務・国防担当閣僚協議(2プラス2)を復活させ、中国、北朝鮮の核問題、新型コロナなど様々な懸案について幅広く意見を交換する見通しだ。

 両長官は本格的な歴訪に出る前の14日(現地時間)、ワシントン・ポスト(電子版)に「米国のパートナーは世界中の“戦力乗数”だ」というタイトルの共同寄稿を載せ、今回の訪問の意義を説明した。彼らは「米国と韓国、日本は協力を通じて世界の安全保障と繁栄に重要な広範囲な問題を扱う」とし、その例として北朝鮮の核兵器・弾道ミサイル計画▽気候変動▽サイバー・セキュリティ、新型コロナなどを挙げた。両長官はさらに「自由で開かれており、人権と民主主義、法治尊重に錨を下ろしたインド太平洋地域」は米国の利益にも合致しており、韓米日が共有する目標だとしたうえで、こうしたビジョンを共有しない国として中国を名指しした。さらに「中国は自国の道を推し進めるために強制力を使おうとする意志がとても強い」とし、「我々の協力は中国の攻撃と脅威に対抗して我々をより強くするだろう」と主張した。米国がインド太平洋地域の繁栄と発展の「礎石」と呼ぶ日本はもちろん、「要」とする韓国とも力を合わせ、東シナ海や南シナ海、台湾などに続く中国の一方主義を牽制するという意思を明確にしたものだ。両長官は「中国が新疆ウィグル自治区とチベットで人権を蹂躙し、香港の自治を組織的に侵食し、台湾の民主主義を弱体化させ、南シナ海で国際法に反する海上領有権を主張する際は、われわれは共に中国に責任を問う」と宣言した。

 米国のこのような態度は、韓国に様々な“困った選択”を強いるものでもある。政府はこれまで米国が中国牽制色の強いインド太平洋戦略を打ち出すたびに、「開放性と包容性、透明性という原則に基づき、韓国の新南方政策と米国のインド太平洋政策の間の調和のとれた協力を推進することにした」という曖昧な立場を維持してきた。大統領府の当局者は10日にも韓国のクアッドへの参加と関連し、「透明性と開放性、包容性と国際規範を順守すれば、どんな地域協力体や構想とも積極的に協力できる」という従来の立場を繰り返した。もう一つの難題は、北朝鮮の核問題だ。米国は現在進行中の北朝鮮政策見直しを数週間内に終わらせる方針だが、6・12シンガポール共同宣言を出発点にして早急に朝鮮半島平和プロセスを再開するという文在寅(ムン・ジェイン)政権の主張がどれほど反映されるかは不透明だ。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員、キル・ユンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/986899.html韓国語原文入力:2021-03-1604:59
訳H.J

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