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[ニュース分析]北朝鮮、米国の接触の試みに沈黙…対北政策の行方分ける「韓日歴訪」

登録:2021-03-15 06:02 修正:2021-03-15 07:05
米国、数週間内に北朝鮮政策見直し完了する予定 
韓国政府「米国と事前情報共有」 
「バイデン政権の政策、北朝鮮にとっては期待外れかも」
今月1日、バイデン米大統領がワシントンのホワイトハウスでメキシコのロペスオブラドール大統領とテレビ会議を行う姿をアントニー・ブリンケン国務長官が見守っている=ワシントン/AP聯合ニュース

 米国のバイデン政権が、今年2月中旬から北朝鮮に様々なチャンネルで接触を試みたが、北朝鮮は反応を示していないという報道が出た。米国の北朝鮮政策の見直しが「数週間以内」(in the coming weeks)に終わる重要な局面で、北朝鮮が“沈黙”を守っているという事実が明らかになり、アントニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官による16~18日(韓国時間)の韓日歴訪が持つ意味が以前より大きくなった。

 匿名の米政府高官は13日、ロイター通信に「2月中旬から始めてニューヨークを含むさまざまなチャンネルを通じて」北朝鮮政権に接触を試みたが、「これまで平壌からいかなる反応もなかった」と述べた。これは1月20日に発足したバイデン政権が北朝鮮政策を見直す過程で、ニューヨークにある北朝鮮の国連代表部など多様なチャンネルを通じて北朝鮮側に接触し、「非核化」と関連する正確な意中を探ろうと努力したが、成果を得られなかったという意味だ。同高官はさらに、ドナルド・トランプ前政権末期を含め、この1年余りの間「米国の数回の試みにもかかわらず」朝米間には活発な対話がなかったものとみられると伝えた。対外政策で中国牽制に焦点を合わせているバイデン政権は、これまで「北朝鮮問題は(対外政策の)優先順位が低いのか」という質問に対し、北朝鮮の核と弾道ミサイルの脅威を例に挙げ「北朝鮮は優先順位の(高い)課題だ」と明らかにしてきた。

 北朝鮮は2019年2月末、ハノイで行われた朝米首脳会談が物別れに終わって以来、米国に納得できる「新しい算法」を要求していた。その後、2019年10月にストックホルムで開かれた実務交渉に1回応じた後、米国との公式接触を避けてきた。現在の沈黙は今後行われる朝米交渉を念頭に置いた朝米特有の“神経戦”と推定できる。韓国の外交部当局者は関連内容について「米国から事前に知らせがあった」と述べた。

 北朝鮮が米国の接触の試みに沈黙を守っていることが分かったことで、16~18日に予定されたブリンケン国務長官とオースティン国防長官の韓日歴訪の重要性がさらに高まっている。北朝鮮と直接意思疎通がない状態で、韓国と日本など主要同盟国の意見をまとめて北朝鮮政策の方向を決めなければならないためだ。

 これまでバイデン政権は北朝鮮政策の見直し過程で、朝鮮半島非核化の「当事国」である韓国と「重要関連国」である日本と政策協議を行う意向を示してきた。この作業は日本(16~17日)と韓国(17~18日)でそれぞれ開かれる外交・国防(2プラス2)閣僚会議などを通じて行われる。ソン・キム米国務次官補(東アジア・太平洋担当)代行は12日、記者団との電話会見で、「(ブリンケン長官の韓日歴訪が) 我々の(北朝鮮政策見直しの)手続きに同盟が高官級の意見を提供できるもう一つの大きな機会になると思う」としたうえで、「迅速に作業を進めており、おそらく数週間内に見直しが完了するだろう」と述べた。

 これに影響を及ぼす可能性がある要因は大きく分けて二つだ。第一は米国の姿勢だ。北韓大学大学院のク・ガブ教授は、「米国が見直しの内容を韓国に通知しに来るのか、それとも相談しに来るのかが重要だ」と語った。第二は、米国の二つの同盟国である韓国と日本の間に存在する深い隔たりだ。前任のトランプ政権時代の遺産である6・12「シンガポール共同宣言」を出発点に「朝鮮半島平和プロセス」の再稼働を目指す韓国と、核・ミサイル(射程距離に関係なく)・拉致問題の包括的解決を主張する日本の立場があまりにも異なり、意見調整にかなり難航が予想される。北朝鮮核交渉を担当したウィ・ソンラク元朝鮮半島平和交渉本部長は、見直しの結果に関し「バイデン政権の当局者は北朝鮮核問題をよく知っている経験豊かな人物だ。突然新しい解決策が示されるとは思えない。圧迫・制裁と多国間連携を活用し、段階的・漸進的に非核化を推進するという結論が出るだろう」と述べた。さらに、こうした結論が「すでに3回も朝米首脳会談を経験し、シンガポールで大きな成果を味わった北朝鮮の期待に添うものではないだろう」とし、(北朝鮮による)挑発の可能性を懸念した。

 もう一つの争点は、米国が中国包囲政策の核心である米日豪印4カ国の安保協議体「クアッド」を拡張させた「クアッドプラス」に、どれほど強く韓国の参加を要求するかだ。チョ・ソンニョル国家安保戦略研究院諮問研究委員は「韓国としてはかなり困惑する問題であるのが事実」だとし、「まだ北朝鮮が対米・対南交渉の可能性を残している限り、政府は慎重にアプローチすると思う」と予測した。一方、ウィ・ソンラク元大使は「今回の韓日歴訪の重要な目的は(北朝鮮政策の調整ではなく)中国牽制」だとしたうえで、「現政権が残りの任期に(北朝鮮核交渉で)成果を出すにはあまりにも時間が足りず、条件が悪い。米国を相手に韓国の立場を主張するだけではなく、現実的かつ冷徹な代案を示すのが望ましい」と述べた。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員、キル・ユンヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/986724.html韓国語原文入力:2021-03-1502:30
訳H.J

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