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天皇即位式、憲法の「政教分離規定違反」との批判

登録:2019-10-24 02:21 修正:2019-10-24 07:15
「天孫降臨」神話に由来 
現行憲法に合わないという指摘にも 
安倍政府、前例に従ったと固執
安倍晋三首相が22日、東京千代田区の皇居で開かれた即位式で万歳三唱している//ハンギョレ新聞社

 22日に行われた徳仁天皇の即位式が、憲法の政教分離規定に違反するという批判が再燃している。

 徳仁天皇は即位式で全体の高さが6.5メートルに達する台座「高御座」の上に立って即位を宣言した。高御座の中には天皇家の宝物「三種の神器」の中の剣と曲玉が置かれた。ただ、このような装置は、皇族の祖先が天から降りてきたという「天孫降臨」神話に由来する。また、憲法上国民主権を規定している日本において、首相が天皇より1メートル以上低い位置で万歳三唱することも憲法にふさわしくないという指摘もある。

 現在の即位式の大枠は、1868年の明治維新以降に天皇の国家的神格化が進められる中で確立されており、第2次大戦敗戦後も即位式の形式は大きく変わっていない。安倍晋三政権は政教分離違反という批判に対して、1990年の明仁天皇(現上皇)即位式の前例に従ったものだとかわしているが、問題は解決されていないという批判が多い。憲法学者の横田耕一九州大学名誉教授は毎日新聞に「憲法の趣旨に合うかどうか整理すべきだった。単に前例に従ったことには問題がある」と指摘した。

 また、1990年の即位式も問題がなかったわけではないという指摘も出ている。1990年の即位式の際に官房副長官だった石原信雄氏は毎日新聞に「昭和天皇の崩御が即位式の出発点だった。(時間がなく)第2次世界大戦以前の制度をすべて変更する余裕がなかった」と語った。

 朝日新聞は23日「前例踏襲が残した課題」と見出しを付けた社説で「政府は議論を避け、異論には耳をふさいで、多くを『前例踏襲』で押し通そうという姿勢だ」とし、「天皇の権威を高めるために明治になって作られた形式にこだわった」と皮肉った。日本共産党は、即位式が政教分離違反だとして出席しなかった。

 即位式を終えた天皇が来月14~15日に大嘗祭で皇室の先祖を祭る儀式が開かれる時も、論争が再燃するだろう。この儀式は宗教色が強く、日本政府も国家行事ではなく皇室行事と規定している。しかし、国として重要な行事だとして費用は国家予算で執行すると明らかにしている。

東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/914299.html韓国語原文入力:2019-10-23 16:32
訳D.K

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