日本の環境相が、福島原発の汚染水は結局、海に放流するしかないという趣旨で発言し、議論を呼んでいる。
原田義昭環境相は10日に開かれた記者会見で、福島第1原発の汚染水処理問題について「思い切って(海に)放出して希釈する。いろいろ選択肢を考えると、他にあまり選択肢がないと思う」と述べた。「水(汚染水)を海に放出して希釈するということか」という質問が出ると、「それしか方法がないというのが私の印象だ」と答えた。
原田環境相は「しかしこれは極めて重要な話なので、軽々にこうすべきとは言えない。 政府全体でこれから慎重な議論をすると思う」と述べた。原田環境相は言葉を濁したが、福島第1原発の汚染水処理方法について日本政府が結局は海洋放流を望んでいるという事実を垣間見ることのできる発言だ。日本政府は、原発汚染水放出の可能性を懸念する韓国政府を意識して、4日に韓国を含めた東京駐在の22カ国の外交官を外務省庁舎に招いて説明会を開き、汚染水の処分方法はまだ決定していないと強調した。
福島第1原発は2011年の放射能漏れ事故以降、原発に地下水が浸透して今も放射能汚染水を絶えず生みだしている。第1原発運営会社の東京電力はこの汚染水を多核種除去装置(ALPS)と呼ばれる放射性物質除去装置を使って処理している。ALPSで処理された汚染水は第1原発敷地内のタンクに保管中だ。
問題は保管中の汚染水が今年初めの時点ですでに112万トンに達しており、敷地問題により水タンク貯蔵が数年以内に限界に達する可能性があるという点だ。しかも、第1原発の汚染水のうち、ALPSによる浄化作業が終わった89万トン(全体では95万トン)を昨年9月に調査してみると、80%を超える75万トンが依然として排出基準値を超える放射性物質を含んでいたという事実も明らかになった。このため福島の住民は汚染水の海洋放出に依然として反対しており、日本政府も放出を強行できずにいる。
菅義偉官房長官はこの日、定例記者会見で「原田環境相の発言は政府の検討状況も踏まえて個人的な意見として述べたものと承知している」と述べた。