ドナルド・トランプ米行政府が連日、北朝鮮に向けて対話メッセージを送っている。
マイク・ポンペオ米国務長官は7日(現地時間)、ABC放送とのインタビューで、司会者が北朝鮮の核能力の向上について言及し、「金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長がトランプ大統領を騙しているという懸念はないか」と質問したことに対し、「数日以内あるいはおそらく何週間以内に、我々が彼らと交渉テーブルに戻ることを期待している」としたうえで、「それが最上の結果だ。北朝鮮住民のためにも最上の結果だ」と述べた。
ポンペオ長官はさらに、「私は、金委員長が交渉テーブルに復帰せず、両指導者が3回も会って合意した事項と一致しないミサイル実験を行う場合は、トランプ大統領が非常に失望すると思う」と述べた。金委員長との「良好な関係」について語ってきたトランプ大統領も「失望する可能性がある」と発言することで、遠回しながら、繰り返し対話への復帰を求めたのだ。
「合意と一致しないミサイル実験」は、長距離ミサイルを指すものとみられる。トランプ大統領は、金委員長が実験中止を約束したのは長距離ミサイルだとし、短距離ミサイルの発射は約束違反ではないという立場を示してきた。ポンペオ長官も同日、「短距離ミサイル実験は国連安保理決議違反ではないか」という質問に対し、即答を避け、「金委員長がトランプ大統領にした約束はかなり明確で、まだそれには違反していない」と答えた。ただし、ポンペオ長官は「我々は金委員長が短距離(ミサイルの発射)実験を行うことに失望した」と付け加えた。
トランプ大統領と金委員長は今年6月30日、板門店(パンムンジョム)で会って実務交渉の再開に合意したが、いまだに開かれていない。北朝鮮は最近、「米国との対話に対する期待がますます消えていく」とし、米国の態度の変化を要求している。米国は「北朝鮮の政権交代を望まない」(トランプ大統領)や「トランプ大統領が今後1年間、重大な進展を作り出すことに専念する」(スティーブン・ビーガン国務省北朝鮮政策特別代表)などの発言を通じて、北朝鮮に「とりあえず、会って話そう」というシグナルを送っている。