米国が相次いで朝米非核化交渉の再開を求めている。朝米実務交渉責任者でもあるスティーブン・ビーガン国務省北朝鮮政策特別代表が6日(現地時間)、北朝鮮に向けて、非核化交渉のテーブルにつくよう提案したのに続き、マイク・ポンペオ国務長官も対話を求めるメッセージを出した。北朝鮮が最近強圧的な談話を出したことに対する米国側の回答だ。
ポンペオ長官の発言の中で目立つのは、「すべての国は自らを防御する主権を持つ」という発言だ。北朝鮮が強調してきた「自衛権」を取り上げ、非核化を実行すれば体制安全保障を提供できるという立場を再び明らかにしたと言える。「ドナルド・トランプ大統領が今後1年の間に重大な進展を実現する専念している」という点を強調したビーガン代表の発言も注目される。交渉を急がないというこれまでの態度から一歩踏み出し、「今後1年」を強調したもので、意味がある。しかし、米国側から出たこのような発言が、北朝鮮を交渉の場に引き出すほど効力があるかどうかは依然として疑問だ。先月、韓米合同演習終了とともに実務交渉を始めることができるのではという期待があったが、北朝鮮の態度はむしろ強硬になっている。最近、北朝鮮のチェ・ソンヒ外務省第1次官は「朝米対話に対する期待が次第に消えて行っている」として、忍耐力を試したりしないよう警告してもいる。米国に向けて「新しい方法」を持って来るよう要求しているのだ。
北朝鮮は6月30日の板門店朝米首脳会合以降も「ハノイ交渉決裂」の記憶を振り切ることができなかったようだ。しかし、だからといってひたすら米国の態度変化を待つだけというのは、良い交渉姿勢ではない。米国が方法を変えるまで持ちこたえるという瀬戸際戦術を取っていては、取り返しのつかない局面を迎えることもあり得るということを北朝鮮は自覚しなければならない。米国が実務交渉を再開するよう要請しているだけに、ひとまず交渉を始めるべきだ。神経戦ばかりして時を失えば、朝米ともに敗北者になりかねない。