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トランプ大統領、合意直後に「韓国の防衛費分担金をさらに引き上げるべき」

登録:2019-02-14 06:07 修正:2019-02-14 13:59
閣僚会議で「電話数本で1年に5600億ウォンさらに支払うことで合意」 
「今後数年間増えるだろう…韓国はこれからも頑張ってくれるだろう」 
韓米合意は今年787億ウォン引き上げ…「5600億ウォン引き上げ」の根拠なし 
大統領府「契約は1年延長可能…引き上げを既成事実化しないでほしい」
ドナルド・トランプ米大統領が今月12日の閣僚会議で発言している=ワシントン/EPA聯合ニュース

 韓米が在韓米軍防衛費分担金の8.2%引き上げに合意してから2日後に、ドナルド・トランプ米大統領が根拠の分からない金額を突き付けて、「今後さらに増えるだろう」と述べた。

 トランプ大統領は12日(現地時間)、閣僚会議で「我々(米国)は良好な貿易交渉と良好な軍事交渉を行っているが、長い道のりが始まったばかりだ」と述べ、在韓米軍の防衛費分担金の話を切り出した。彼は「一例として、我々は韓国を防衛するのに大金を費やしている。彼らを守るのに1年に数十億ドルがかかる」とし、「彼らは私の(引き上げ)要求に同意した」と述べた。さらに「マイク・ポンペオ国務長官やジョン・ボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)と共に話し合った結果、韓国側は彼らの防衛に5億ドル(約5600億ウォン、553億円)を追加で支払うことで同意した」と述べた。10日、韓米が今年の分担金に合意して仮署名したことに言及したものと見られる。

 トランプ大統領は「電話数本で5億ドル」としたうえで、「私は『以前はなぜこれをしなかったのか』と尋ねたが、彼らは『誰も要請しなかった』と答えた」と述べた。また「韓国を防衛するには1年に50億ドルがかかるが、韓国は約5億ドルを支払っただけだ」としたうえで、「我々はこれまでよりは(取引を)うまく進めなければならない。そのため、彼らはさらに5億ドルを支払うことで合意した」と述べた。また「今後数年間、それ(防衛費分担金)は上がるだろう」とし、「我々は韓国や文在寅(ムン・ジェイン)大統領と良好な関係を保っており、北朝鮮とも共に進んでいる」と述べた。

 トランプ大統領が言及した数値が、どこから出たのかは不明だ。韓国は在韓米軍駐留費用の半分の水準を分担しており、昨年9602億ウォン(約947億円)を分担した。韓米は10日、韓国の分担金を8.2%(787億ウォン)引き上げた1兆389億ウォン(約1024億円)に策定する第10次防衛費分担金特別協定文に仮署名した。トランプ大統領の言う「韓国の防衛に年間50億ドル」や「韓国の分担金の5億ドル引き上げ」の根拠は見当たらない。彼が雇用の増加や海外工場の米国への移転などの業績を並べながら、韓国を「良い取引」の事例として挙げたことから、主観的に膨らませた金額である可能性もある。分担金交渉に詳しい韓国政府高官は「韓国がこれからの交渉で(分担金をさらに)5億ドルを引き上げるなどの話をしたことはない」と述べた。

 トランプ大統領は、米軍駐留分担金の引き上げを求めており、日本や欧州に対しても、韓国をモデルに1年単位の引き上げを追求する意向を示してきた。今年中に開始する来年度の在韓米軍防衛費分担金交渉に向け、早くも圧力をかけている。

 大統領府のキム・ウィギョム報道官は「今回の分担金協定期限は1年だが、『双方の合意に基づき、さらに1年延長できる』という内容が付属合意文にある」としたうえで、「(来年の)引き上げを既成事実化しないでほしい」と述べた。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員、パク・ミンヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/881953.html韓国語原文入力:2019-02-1320:31
訳H.J

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