米国務省は7日(現地時間)、スティーブン・ビーガン対北朝鮮特別代表とキム・ヒョクチョル北朝鮮国務委員会対米特別代表が、平壌(ピョンヤン)実務交渉で完全な非核化と朝米関係の転換、朝鮮半島平和構築について議論していると明らかにした。昨年6月12日の1回目の朝米首脳会談で合意した内容を具体化することが、27~28日の2回目の朝米首脳会談の目標だということを再確認したのだ。
ロバート・パラディーノ国務省副報道官は定例ブリーフィングで、ビーガン特別代表とキム・ヒョクチョル特別代表の平壌交渉に関し「この交渉はドナルド・トランプ大統領と金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長の2回目の首脳会談を準備するためのもの」と述べた。続けて「(北朝鮮の)完全な非核化、朝米関係の転換、朝鮮半島の恒久的平和メカニズム構築を含め、トランプ大統領と金委員長がシンガポールでの初めての首脳会談で交わした約束に関しさらなる進展を図るためのもの」と明らかにした。6日に平壌に到着したビーガン特別代表は、8日にも3日連続でキム特別代表らに会い、2回目の朝米首脳会談の議題と実行計画を協議した。
パラディーノ副報道官の発言は、最近マイク・ポンペオ国務長官とビーガン特別代表などが北朝鮮の非核化とともに「朝米関係の改善」と「朝鮮半島平和体制」を並列して強調したことを再確認したものだ。非核化の行動に合わせて、米国も相応の措置をとる準備ができていることを表わしたものと分析される。米国は北朝鮮に対し、寧辺(ヨンビョン)核施設の廃棄をはじめとする行動を要求する一方、人道支援の拡大と終戦宣言、朝米連絡事務所の開所などを相応の措置として検討中といわれている。米国は本土を脅かす大陸間弾道ミサイル(ICBM)だけでなく、中・短距離まで含む北朝鮮のすべてのミサイルの廃棄を公式立場として決めているという。ただし、実行においては大陸間弾道ミサイルの廃棄に集中する段階的アプローチを選ぶのではないかとの観測が出ている。
パラディーノ副報道官はまた、朝米首脳会談の開催地であるベトナムの政府に謝意を表し、「私たち両国の歴史は平和と繁栄の可能性を反映し、私たちは過去の葛藤と分裂を越えて繁栄のパートナー関係として進んでいる」と話した。
チョ・ユンジェ駐米大使も、ビーガン-キム・ヒョクチョル実務交渉に対する期待感を表した。チョ大使はこの日、ワシントン特派員との懇談会で「ビーガン代表が平壌に行く前に多くの準備をして行ったので、具体的議論がなされるものと期待している」と話した。チョ大使は「私はこれまで米国も果敢な相応の措置をする必要があるということを米国側に話してきた」とし、「トランプ大統領が『果敢な外交』に言及したことも良いメッセージと考える」と話した。トランプ大統領は5日の一般教書演説で「大胆で新しい外交の一環として、私たちは朝鮮半島の平和に向けた歴史的努力を続けている」と述べた。
国務省は「非核化前の対北朝鮮制裁緩和はない」という既存の立場も強調した。彼は「私たちは最終的で完全に検証された非核化(FFVD)に到達するまで、国連制裁を履行することで団結している。制裁緩和は非核化の後についてくるという点を明確にしてきた」と述べた。