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ビーガン-キム・ヒョクチョル、平壌で議題調整…制裁緩和が最大の問題

登録:2019-02-07 06:10 修正:2019-02-07 09:37
ビーガン代表、特別機で平壌に到着し実務交渉に着手 
北朝鮮の非核化と米国の相応措置をめぐる密度の高い協議を予想 
実務交渉で今後のロードマップも描くかにも関心集まる 
平壌滞在期間や金正恩委員長との面会については明らかになっておらず
スティーブン・ビーガン米国務省北朝鮮政策特別代表が乗ったと推定される特別機が今月6日午前、烏山米軍基地から離陸している//ハンギョレ新聞社

 米国務省のスティーブン・ビーガン北朝鮮政策特別代表が6日、平壌(ピョンヤン)に到着し、北朝鮮のカウンターパートであるキム・ヒョクチョル対米特別代表(元スペイン大使)と2回目の朝米首脳会談の議題調整に入った。ドナルド・トランプ大統領が同日の一般教書演説で、27~28日にベトナムで第2回朝米首脳会談が開催されると公開した直後に開かれた初の実務交渉であることから、密度の高い協議が予想される。

 ビーガン代表の平壌行きは、昨年10月にマイク・ポンペオ国務長官とともに訪朝して以来3カ月ぶりだが、実務交渉代表として単独訪朝は初めてだ。キム特別代表は先月18日、金英哲(キム・ヨンチョル)労働党副委員長の訪米当時、ワシントンでビーガン代表の対話相手として新たに登場した。朝米実務交渉を率いる「ビーガン-キム・ヒョクチョル」ラインが本格的に稼動するということだ。

 両者は今回の実務交渉で、朝米首脳会談のテーブルにつく議題の調整に集中するものと予想される。北朝鮮の寧辺(ヨンビョン)核施設の廃棄などの非核化と、米国の相応の措置のバランスを取るのが主な課題だ。ビーガン代表は先月31日(現地時間)、スタンフォード大学での講演で、金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長が米国の相応の措置を条件にプルトニウムとウラン濃縮施設の解体を約束したと述べたうえで、これに対する相応の措置を実務交渉で話し合うと明らかにした。米国の相応の措置には、終戦宣言や連絡事務所の開設、人道支援の拡大などが挙げられる。

 北朝鮮は、これらの措置に加え、制裁緩和を要求しており、これに対する米国の回答が実務交渉の成否を分けるものとみられる。ビーガン代表はこれに先立ち「米国は非核化が完了するまでは、対北朝鮮制裁を解除しない」としながらも、「北朝鮮がすべてを終えるまで、我々が何もしないと言うつもりはない」と付け加えた。場合によっては部分的な制裁緩和の可能性を示唆したとも受け取れる発言だ。米国は非核化以降、「北朝鮮の明るい未来を担保する経済協力パッケージ」を提案しているという。

 今回の実務交渉が、北朝鮮の非核化と米国の相応の措置を連携した“ロードマップ”の合意に発展できるかどうかも関心を集める。ビーガン代表は、寧辺の核施設の廃棄→寧辺以外の核施設の廃棄→核兵器の除去につながる大きな枠組みのロードマップを提示している。「ある時点」では「核関連の包括的申告及び検証」が必要だとしたものの、これが非核化の早い段階で行われるべきとは主張しなかった点で、米国が信頼構築による段階的アプローチが不可欠であることを認めたものとみられる。

 ビーガン代表が平壌を公開訪問したのは、これまでの朝米交渉で進展があったことを示すシグナルという分析もある。米国の公館のない平壌で交渉することによる不都合を考えると、ビーガン代表が今回の実務交渉でかなりの権限を委任されて行使するものと専門家たちは予想している。北朝鮮としては、金委員長の意見を速やかに交渉に反映できる。国家安保戦略研究院のチョ・ソンニョル前首席研究委員は「ビーガン代表は実務交渉を超えて、金英哲副委員長、ひいては金正恩委員長の意中まで把握しようとしているようだ」と述べ、「ビーガン代表が破格の提案をした場合、北朝鮮の最高位層が決心しなければ答えられないだろう」と指摘した。

 ビーガン代表の平壌でのスケジュールはまだ公開されていない。キム特別代表のほかに、北朝鮮の高官に会うかどうかも明らかになっていない。ビーガン代表が6日か7日午前に帰国する日程を決め、時間に追われながら交渉に臨んでいるわけではないようだ。外交慣例上、ビーガン代表が金委員長に会う可能性は低いが、実務交渉の結果によっては電撃的な面会が実現する可能性も排除できない。

 ビーガン代表は同日午前10時ごろ、西海直航路を通じて平壌順安(スンアン)国際空港に到着した。ビーガン代表は3-4日、ソウルでチョン・ウィヨン大統領府国家安保室長やイ・ドフン朝鮮半島交渉本部長らと会い、実務交渉における戦略について話し合った。

ユ・ガンムン記者、ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/881117.html韓国語原文入力:2019-02-06 21:14
訳H.J

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