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[ニュース分析]朝米首脳の1泊2日のベトナム会談で可視的合意出るか

登録:2019-02-07 08:03 修正:2019-02-07 09:42
1日限りの昨年のシンガポール会談と異なり、2日間の日程 
関係改善に向けた大枠を提示 
第1回目の会談に続き具体的な合意に注目集まる 
専門家「南北米中の終戦宣言の可能性も」 
平壌入りしたビーガンとキム・ヒョクチョルの実務交渉の進展がカギ 
北朝鮮の金正恩国務委員長と米国のドナルド・トランプ大統領が昨年6月12日に行われた初の首脳会談の際、握手を交わしている/AP 聯合ニュース

 ドナルド・トランプ米大統領と金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮国務委員長の2回目の首脳会談の開催という、巨大な賽が投げられた。トランプ大統領が5日(現地時間)、一般教書演説で「2月27~28日、ベトナムで金委員長に再び会う」と発表したことで、朝鮮半島の非核化と平和体制の構築に向けた2回目の談判のタイムテーブルが決まった。

 8カ月前にシンガポールのセントーサ島で行った初の朝米首脳会談の成功同様、これまでの膠着局面を乗り越えて2回目の対面の扉を開いたのも、両首脳による“トップダウン”の決断だった。トランプ大統領が同日、2回目の朝米首脳会談の日程と開催国を発表した時間は、スティーブン・ビーガン国務省北朝鮮政策特別代表がキム・ヒョクチョル北朝鮮国務委員会対米特別代表との実務交渉のため平壌に到着した2時間後だった。首脳会談の核心議題である北朝鮮の非核化行動と米国の相応の措置をめぐる本格的な調整が始まる前に、タイムテーブルを明らかにしたのだ。米国政界の強い懐疑論にもかかわらず、トランプ大統領が首脳会談の開催への強い意志をにじませたものと言える。トランプ大統領は一般教書演説でも、「(これから)やるべきことは山積しているが、金正恩と私は良い関係を保っている」と強調した。

 トランプ大統領と金正恩委員長は、昨年11月に朝米高官級会談が取りやめになるなどの紆余曲折の中でも、年末と年明けに数回にわたって親書を交換し、互いに対する信頼と対話への意志を維持してきた。先月18日、金英哲(キム・ヨンチョル)北朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長が金委員長の親書を持ってホワイトハウスを訪れ、トランプ大統領と面会した以降、実務交渉など首脳会談の準備に弾みがついた。

 両首脳は昨年6月12日の初の首脳会談で、新たな朝米関係の樹立▽朝鮮半島における平和体制の構築▽朝鮮半島の非核化に向けた努力▽戦争捕虜・行方不明者の遺骨の送還の4項目を含む共同声明を発表した。このうち、米軍の遺骨の発掘・送還以外は、具体的な進展が見られないという指摘が相次いだ。両首脳とも“対面”そのものに重きを置いた第1回首脳会談とは異なり、2回目の首脳会談では、非核化行動と相応の措置を交換し、可視的な成果を示さなければならない課題を抱えている。北朝鮮の寧辺(ヨンビョン)の核施設の廃棄を中心とし、それに米国の相応の措置を合わせる協議が進められているという。米国は制裁緩和をできるだけ保留する一方、人道支援の再開や終戦宣言、朝米連絡事務所の設置などを検討しているとされる。

 米国は最近、北朝鮮に肯定的なシグナルを発信し、首脳会談の結果に対する期待感を示してきた。ビーガン特別代表は、先月31日に行ったスタンフォード大学での演説で、北朝鮮の体制保証を再確認する一方、核申告の要求を後回しして「同時的・並行的」の履行方針を明らかにすることで、柔軟な態度に転じた。トランプ大統領は3日に放送されたCBSとのインタビューで、北朝鮮の非核化に米情報当局が懐疑的な分析を出したことに対し、「その可能性があるが、我々(朝米)が(非核化などに)合意する可能性も非常に高い」と楽観的な見通しを示した。彼は「金委員長は北朝鮮を立派な経済大国にする機会を持っている」とも述べた。

 1日限りの会談で終わった第1回目とは異なり、今回の会談を2日間の日程にしたのは、確実な成果を示そうとする意志の表れであると同時に、それ自体が一つの進展だ。単独会談に続き、拡大会談と会談を兼ねた昼食会で終わった第1回に比べ、より深い会談が行われる可能性があり、晩餐や他の親交の時間を通じて交感を拡大することもできる。国家戦略安保研究院のチョ・ソンニョル前首席研究委員は「初日は会談後に晩餐会を行い、翌日には徒歩橋(南北首脳会談)や昨年大連(朝中首脳会談)で見せた親交活動のような行事をしようというのではないかと思う」と述べ、「朝米間の信頼が築かれたことを見せるためのイベントを考えているものと思われる」と話した。

 第2回朝米首脳会談と合わせ、米中首脳会談が実現するものとみられる点も期待感を高めている。大統領府は、文在寅(ムン・ジェイン)大統領がこの時にベトナムを訪問する可能性はまだ高くないという立場だが、チョ前首席研究委員は「南北米中の終戦宣言」が出る可能性もあると見ている。ク・ガブ北韓大学院大教授も「1泊2日の会談なら、中国(首脳)も行って、韓国(首脳)も行けると思う。首脳会談はそれほど多くの時間を必要としない。終戦宣言が行われる可能性も排除できない」と話した。

 残りのカギは、議題の“ディテール”を取り上げる朝米実務交渉で、非核化と相応の措置の組み合わせをいかにうまく進められるかだ。「キム・ヒョクチョル-ビーガン」ラインの調整作業は、首脳会談までの3週間、数回にわたって行われるものと見られる。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員、ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/881136.html韓国語原文入力:2019-02-06 20:43
訳H.J

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