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「千島列島に米軍基地設置しない」安倍の勝負の賭けは功を奏するか

登録:2018-11-16 22:41 修正:2018-11-17 06:23
朝日新聞「安倍がプーチンに直接約束」 
2島優先返還主張にも方向転換 
ロシア牽制、国内保守派の反発など難題山積
ウラジーミル・プーチン大統領と安倍晋三首相が14日、シンガポールで首脳会談に先立って握手している/EPA聯合ニュース

 安倍晋三首相が、ロシアと領土紛争がある千島列島南端4島の問題を終えるために勝負の賭けに出たと見られる。

 朝日新聞は、安倍首相がロシアのウラジーミル・プーチン大統領に、千島列島の一部を日本が引き渡されても米軍基地を置かないという立場を明らかにしたと16日報道した。ロシア政府はこれまで、千島列島を一部でも日本に返還しがたい理由として、米軍基地が建設される可能性があるという憂慮を持ってきた。

 朝日新聞は、匿名の官僚の話を引用して、千島列島4島のうち歯舞(ハボマイ)と色丹(シコタン)が返還されても米軍基地を設置しないという意思を安倍首相がプーチン大統領に直接伝えたと報道した。

 日本政府は、米日同盟を外交の柱としているので、こういう約束をしたとすれば破格的な提案と解釈できる。2016年、安倍首相の側近である谷内正太郎・国家安全保障局長は、プーチン大統領の側近に会った席で、米軍基地設置の有無に関する質問に「可能性がある」と答えたことがある。

 安倍首相は14日、シンガポールでプーチン大統領と首脳会談をした後「1956年ソ日共同宣言を基礎にした平和条約交渉を加速化することで合意した」と話した。1956年のソ日共同宣言は、ソ連は平和条約締結後に千島列島南端4島のうち最も小さい歯舞と色丹を引き渡すという内容を含んでいる。しかし、ロシアと日本はまだ平和条約を結んでおらず、日本は2島の返還を受けられずにいる。

 日本政府はこの間、千島列島南端4島すべての返還を受けなければならないと主張してきた。ところが安倍首相がソ日共同宣言を強調したことは、2島優先返還に方向を切り替えるという意味だ。

 安倍首相は1月下旬、プーチン大統領と再び首脳会談を行う計画だ。産経新聞は、安倍首相が来年6月までにロシアと平和条約の内容に大筋合意することを目標にしていると伝えた。来年夏の参議院議員選挙前に外交的成果を上げようとの狙いがあるとみられる。

 しかし安倍首相の望みどおりになるには難関が多い。プーチン大統領は15日、記者会見で「ソ日共同宣言の内容は明確でない。2島を引き渡すとされているが、どんな条件で誰に主権があるかの言及はない」と話して日本を牽制した。日本国内にも4島すべてを返還させなければならないという反発がある。米国が返還された島に米軍基地を設置しようといえば、反対するのは難しいという指摘もある。

東京/チョ・ギウォン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/870602.html韓国語原文入力:2018-11-16 20:48
訳J.S

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