本文に移動

露日北方領土返還交渉の難航は米国のせい?

登録:2016-12-11 18:43 修正:2016-12-12 13:34
米MD戦力配備を憂慮するロシア 
「米日安保条約の適用例外」を要求 
日本は尖閣との一貫性主張し拒否
露日領土紛争 4島の位置・交渉日誌/ハンギョレ新聞社

 今月15日に予定されたロシアのウラジミール・プーチン大統領の訪日で、日本が期待しているような領土問題での進展はないだろうという展望が深まり、その原因を露日ではなく米国を含む3カ国間の力学関係に求めなければならないという分析が出ている。

 日本経済新聞は11日、露日間の領土紛争が進行中の「北方領土(千島列島南端の4島)交渉は(領土の)帰属問題だけでなく、返還後(この領土が)米日安保条約の適用範囲に含まれるかという問題も(露日が意見の相違を狭めなければならない)課題に浮上している」と指摘した。現在、ロシアは4島のうち1956年ソ日共同宣言で認めた色丹と歯舞の2島の返還については肯定的見解を明らかにしている。

 米日安保条約は5条を見れば、日本の施政権が及ぶ地域に対する米国の防御義務を明示している。もし、ロシアが北方領土を返還するならば、米軍は「日本防御」を口実に米軍の駐留を推進できることになる。そのためロシア政府が日本に返還される北方領土を安保条約が「適用されない例外にすることを要求しているものの、日本はこれを認めない立場」と新聞は伝えた。

 ロシアがこのような要求をするのは、米ロ関係で北方領土が持つ戦略的重要性のためだ。この地域に米軍が駐留することになれば、ロシアは極東地域の防御に相当な負担を感じることになる。特に、ロシアが神経を尖らせるのは、米日が着実に能力を強化してきたミサイル防御(MD)システムだ。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外相は3日、モスクワで岸田文雄外相に会い「米国のグローバルなミサイル防御システム配備により地域で発生する脅威に留意するよう」に話したと伝えられた。北方領土に米国のミサイル防御資産が配置される可能性を極度に警戒しているということだ。

 しかし、日本はロシアの要求に難色を示していると伝えられた。日本が中国と領土紛争が進行中の尖閣列島(中国名、釣魚島)と関連しては米国に「この地域が米日安保条約の適用対象であることを確認してほしい」と粘り強く要求してきたためだ。このような日本の要求を受け入れ、バラク・オバマ米国大統領は2014年4月に日本を訪問して、これを公開的に明らかにしたことがある。日本の外務省幹部は「尖閣列島は守るよう願うが、北方領土は返してもらいたいので例外してほしい」と米国に要求すれば、あまりに自己中心的な話ではないかという反応を見せたと日本経済新聞は伝えた。

東京/キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/774165.html 韓国語原文入力:2016-12-11 16:30
訳J.S(1208字)

関連記事