日本が今年の防衛白書でも「北朝鮮が日本の安全に対するこれまでにない重大かつ差し迫った脅威」と表現した。朝米首脳会談以後にも北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対する日本の基本的認識には変わりがないとの立場を強調したのだ。
日本政府は28日に発表した「防衛白書」で「北朝鮮は今までに6回の核実験を実施し、2016年以後弾道ミサイル40発の発射を繰り返すなど、大量破壊兵器と弾道ミサイル開発を進めている。北朝鮮のこうした軍事的動きは、我が国(日本)の安全に対してこれまでにない重大かつ差し迫った脅威」と書いた。
昨年の防衛白書には、北朝鮮に対して「地域・国際社会の安全に対する重大で切迫した脅威になっている。核・弾道ミサイル開発、そして運用能力の向上は新たな段階の脅威になっている」と書いた。今年の防衛白書には「新たな段階の脅威」という表現は除かれたが、「これまでにない」という表現を入れており、北朝鮮の脅威を依然として強調する日本政府の姿勢を見ることができる。
日本政府は今年の防衛白書で「6月の米朝首脳会談共同声明で、金正恩(キム・ジョンウン)委員長が朝鮮半島の完全な非核化のための意志を改めて文書の形で明確に約束した意義は大きいと考えるが、北朝鮮が核・ミサイルの廃棄に向けて具体的にどんな行動を取るのかを、しっかり見極めていく必要がある」と書いた。続けて「北朝鮮は我が国(日本)のほとんど全域を射程距離内に置くノドンミサイル数百発を保有し、実戦配備したと見られる。これまで累次の核実験及び弾道ミサイル発射を通じ、核・ミサイル開発を進展させ、運用能力を向上させた」として「米朝首脳会談後の現在においても、北朝鮮の核・ミサイルの脅威についての基本的な認識には変化はない」と明らかにした。
実際、日本政府は朝米首脳会談による朝鮮半島の対話ムード進展にもかかわらず、北朝鮮の脅威を強調し、軍事力拡充に乗り出している。北朝鮮のミサイル脅威に対する備えを理由に、イージス艦に装着された弾道ミサイル迎撃システムを地上化した形態である「イージスアショア」の配備を地域住民の反対にもかかわらず強行している。日本がイージスアショアの配備計画を立てたのは、朝米首脳会談前の昨年12月であり、朝米首脳会談以後には配備予定地の秋田県と山口県でもう配備の必要がなくなったのではないかという反対世論が起きた。だが、小野寺五典防衛相は「北朝鮮の脅威は全く変わっていない」として、配備強行の意思を曲げなかった。導入費用も当初予想金額の1.7倍に達する2679億円に膨らんだ。この金額も予想値なので、2023年の配備まで今後さらに増える可能性が大きい。費用対効果が疑わしいという指摘が絶えないが、日本政府は態度を変えていない。安倍晋三政権は2012年末の執権の翌年である2013年から6年連続で北朝鮮の脅威と中国警戒を理由に防衛費を増額している。2015年に4兆9801億円(米軍基地再編費用含をむ)で、過去最高値を更新して以来、4年連続で最高額を更新している。今年防衛省が財務省に提出する予定の来年の防衛費も、やはり歴代最高の5兆2000~5兆4000億円の間で調整中だ。
また、今年の防衛白書にも独島(ドクト)は日本の領土という主張が入れられた。「我が国(日本)の固有の領土である“北方領土”(千島列島南端4島)と“竹島”(独島)の領土問題は依然として未解決のまま存在する」と記述した。2005年の小泉純一郎政権以来、14年間独島が日本の領土という主張を防衛白書に入れた。