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国連「北朝鮮、船舶対船舶の取引で安保理決議を無視」

登録:2018-08-06 00:50 修正:2018-08-06 07:19
専門家パネル、対北朝鮮制裁委員会に報告書を提出 
「船40隻と企業130社関わっている」 
「鉄など禁止品輸出し10月~3月に1400万ドルを獲得」
6月29日、東シナ海の公海上で違法な方式で精油製品を受け取っている北朝鮮船舶アンサン1号(左)の姿=日本外務省提供//ハンギョレ新聞社

 石油製品を公海上で船から船に積み替える方法が、北朝鮮の代表的な国連制裁回避手段になっていると、国連専門家パネルが報告書で指摘した。同報告書は、最近北朝鮮が中国やロシアなどを通じて違法に精油製品を輸入しているという報道が相次いでおり、米国がこれを強力に警告している中で公開された。

 AFP通信などは、国連制裁の履行を点検する専門家パネルが6カ月単位で作成する報告書が、3日(現地時間)に国連安全保障理事会(安保理)対北朝鮮制裁委員会に提出されたと報道した。専門家パネルは報告書で「北朝鮮は核・ミサイルプログラムを中止していない」としたうえで、「2018年、海上で石炭を積み替えただけではなく、船舶対船舶で行われる違法石油製品の積み替えを大幅に増やし、安保理決議を無視した」と指摘した。同報告書は特に「石油製品を海で北朝鮮のタンカーに積み替える方法が、国連制裁回避の主な手段」だと記した。

 専門家パネルはまた、このような「船舶対船舶」の取引に40隻の船と130社がかかわっているとし、このような方式の取引が「さらに規模が大きくなっており、(方法も)巧妙化した」として、具体的方法も挙げた。船舶の位置追跡システムの電源を落とし、船舶を偽装して小さな船を利用する場合もあるということだ。

 船舶対船舶の違法積み替えは最近、米国が警告音を鳴らし続けてきた分野だ。米国は先月12日、対北朝鮮制裁委員会に提出した報告書で、北朝鮮が1~5月に公海上などで船舶対船舶による違法な石油製品の積み替えを通じて、少なくとも89回にわたって精油製品を受け取ったとし、今年末まで北朝鮮に対する精油製品の輸出を禁止することを要求した。これに先立ち、国連安保理は昨年12月、北朝鮮が米国東海岸を打撃できる大陸間弾道ミサイル(ICBM)火星15型の発射実験を行ったことを受け、安保理決議第2397号を通じて、北朝鮮に対する精油製品の輸出を50万トンに制限した。

 マイク・ポンペオ米国務長官は4日、シンガポールで開かれたASEAN地域安保フォーラム(ARF)外相会議で「船舶対船舶の取引を通じた石油製品の北朝鮮への流入を完全に遮断するなど、すべての制裁を厳しく守ること」をASEAN加盟国に求めた。

ワシントン/ファン・ジュンボム特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/856270.html韓国語原文入力:2018-08-05 22:06
訳H.J

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