ミロスラフ・ライチャーク国連総会議長(スロバキア外相)が、北朝鮮にスポーツ装備を搬入させてほしいという国際オリンピック委員会(IOC)の要請を肯定的に評価したと「ボイス・オブ・アメリカ」(VOA)放送が2日に報道した。
カタリーナ・カント国連総会議長報道官は、放送に送った電子メールで「議長は北朝鮮の選手たちが五輪競技を準備し、資格を備えて大会に出場できるよう支援しようとする国際オリンピック委員会の要請を『真心』とみなす」とし、「そのような動きは信頼の構築に貢献するものとみられる」と明らかにした。スポーツ装備は2016年3月、国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁決議第2270号によって北朝鮮への移転が禁止されたぜいたく品に分類されている。
これに先立ち、トーマス・バッハ国際オリンピック委員長は先月3日、国連安全保障理事会傘下の対北朝鮮制裁委員会に送った書簡で、2020年東京五輪の準備に向けて北朝鮮へのスポーツ装備搬入を認めてほしいと要請した。国連対北朝鮮制裁委は先月26日、これに対する加盟国の意見を受けたが、米国が反対したと伝えられた。ロイター通信によると、米国の国連代表部のある関係者は「米国は国際オリンピック委員会の提案に反対する」とし、「北朝鮮の非核化の見通しには肯定的だが、その地点に至るには対北朝鮮制裁が完全に稼動されなければならない」と話した。
安保理の対北朝鮮制裁履行を監視する対北朝鮮制裁委は、安保理15理事国で構成されている。すべての処置は理事国全員の同意のもと行われる。スポーツ装備が対北朝鮮制裁から例外として認められ、北朝鮮に搬入されるには、必ず米国の同意を得なければならないわけだ。米国は最近、国務省、財務省、国土安保省の3つの省庁が合同で「対北朝鮮制裁注意報」を発令するなど、対北朝鮮制裁の維持を強調している。