北朝鮮が非核化のための「次の措置」を取るための条件として、朝鮮戦争終戦宣言を要求したという日本のマスコミの報道が出てきた。
朝日新聞は20日、複数の朝米関係消息筋を引用して、金英哲(キム・ヨンチョル)北朝鮮労働党副委員長兼統一戦線部長が、6~7日に朝米高官級対話のために3回目の平壌(ピョンヤン)訪問をしたマイク・ポンペオ米国務長官に対し、「(朝鮮戦争)終戦宣言は、米国が私たちを普通国家として認定する最善の方法」とし、米国が終戦宣言に応じなければ、北朝鮮も非核化を進めがたいという認識を明らかにしたと報道した。この新聞はまた、別の消息筋を引用して、ポンペオ長官が北朝鮮の終戦宣言要請を拒否はしなかったが、具体的にこの問題に対する協議はなされなかったと伝えた。朝日新聞はまた、北朝鮮が最近在外公館に対し「終戦宣言は北朝鮮の存在を世界に知らせるうえで有効だ」として、終戦宣言実現のための世論造成のために努力するよう指示を与えたと伝えた。
北朝鮮は、3月に韓米を相手に非核化を前提とした本格対話に出た後、核とミサイル実験の凍結、北部核実験場の閉鎖など種々の先行措置を取った。しかし、6・12シンガポール朝米首脳会談から一カ月が過ぎても、非核化のための日程表(timeline)作成など本格的な初期措置に入る兆しを見せていない。
逆に北朝鮮は、ポンペオ長官の3回目の訪朝直後の7日、外務省報道官談話を通じて、米国が「情勢の悪化と戦争を防止するための基本問題である朝鮮半島平和体制構築問題については一切言及せずに“すでに合意した”終戦宣言問題までいろいろな条件と口実をつけて後送りしようとしている」と不満を爆発させた。北朝鮮は米国が終戦宣言をし終えれば、北朝鮮に対する強硬政策を行うことが難しくなり、体制保証に役立つという判断を下していると伝えられた。
それに対しポンペオ長官は8日、東京で開かれた韓米日外相会議で「シンガポール首脳会談の共同声明の3つの部分である、平和な国家間関係構築、北朝鮮とその国民に対する安全保証増大と非核化を併行して推進する必要がある。そうした努力を同時にする必要がある」として一歩退く様子を見せた。米国も終戦宣言自体に対しては肯定的立場だが、非核化のための北朝鮮の明確な行動がなされていない状況で、この措置を取るのは時期尚早と見ている。また、終戦宣言をし終えれば、国連司令部廃止▽在韓米軍縮小・撤収など、新たな問題に火が点くこともありうる。
朝米が激しい“神経戦”を行っているという兆しは、随所で確認される。朝日新聞は、19日には朝米関係消息筋を引用して、朝米が6~7日に合意した非核化作業のための“実務グループ”設置に難色を示していると伝えた。両国が非核化とそれに対する相応措置である体制保証などの要求を突きつけ合い、譲歩なき対立を続けているわけだ。こうした中で、ドナルド・トランプ大統領は最近「非核化には予想より多くの時間がかかりうる。時間制限を設けていない」として、交渉の長期化を念頭に置いたような発言を続けている。