南北対話再開の動きについて、留保的か多少否定的な反応まで示したドナルド・トランプ政権が、文在寅(ムン・ジェイン)大統領との電話会談などを前後に“肯定的な”ムードに転じている。
ホワイトハウスは同日、韓米首脳が4日(現地時間)に行った電話会談の結果に関する報道資料で、「両首脳は北朝鮮に対する最大の圧迫戦略を継続し、過去の過ちを繰り返さないことに同意した」と明らかにした。ホワイトハウスは、安全で成功的な平昌五輪を約束し、平昌五輪に米国の高官級代表団を派遣することなど(トランプ大統領の発言)を取り上げ、「両首脳は韓米両国軍が冬季五輪の安全保障に力を注げるよう、五輪と韓米合同軍事演習の日程が重ならないようにすることで合意した」と明らかにした。
ホワイトハウスが報道資料で、韓米合同軍事演習の延期合意事実を最後に配置したのは、「北朝鮮に一方的な補償を行った」という印象を避けたかったためと見られる。また、「最大の圧迫戦略」などを前面に掲げることで、北朝鮮が非核化に向けた対話に復帰するまでは、現在の北朝鮮政策の基調を維持することを強調した。
二日前、北朝鮮の新年の辞についてツイッターで「私にはさらに大きく、強力な核のボタンがある」「良い知らせかもしれないし、そうではないかもしれない」など言っていたトランプ大統領が、この日の文大統領との電話会談直前に「南北会談は良いこと」という書き込みを掲載したのは、明確な基調の変化と言える。
方向転換の背景には、北朝鮮の対話提案はトランプ政権の対北朝鮮政策の成果によるものという論理が大きな役割を果たしたものとみられる。実際、トランプ大統領はツイッターに、「私が北朝鮮に対し、総体的な“力”を行使するという断固として強力な意志を明らかにしなかったら、今、韓国と北朝鮮の間の対話と交渉が進められただろうか」と書き込んだ。韓国政府が米国との緊密な協議を約束した点も、両国間の誤解が生じる余地を遮断したものと思われる。
ジェームズ・マティス国防長官は同日、記者団に「(3月9~18日に予定された)平昌パラリンピック以降、(韓米合同)軍事演習を再開する」とし、「日付については言及しない」と話した。マティス長官は北朝鮮の対話提案について、「本物の“オリーブの枝”(和解の印)なのかどうかまだ分からないため、大きな意味を与えることは控えたい」としながらも、「明確に言えるのは、外交的解決策を履行するためのいかなるものに対しても、開かれていなければならないこと」だと強調した。また、マティス長官は「合同演習の規模を減らすか増やすような状況も考えられるか」という質問に対し、「それは国家間の政治的決定」だとしたうえで、「予断したくない」と述べた。