ドナルド・トランプ米大統領と中国の習近平国家主席が9日に北京で首脳会談を行った後、翌日に発表された米国側の発表文には「対話を通じた朝鮮半島の核問題の解決に努力」という文言が含まれていることが確認された。米中首脳会談で両国が局面転換のための北朝鮮との対話の必要性に一定の共感を形成したものと見られる。
米ホワイトハウスが10日午後(現地時間)、記者団に送った発表文では、「両国は対話を通じて朝鮮半島の核問題を解決し、すべての関係国の正当な憂慮の解消に向けて努力する」と記されている。これは日米首脳会談の結果に対する米国側の発表文や韓米首脳会談後の共同発表文にはなかった表現だ。
この内容をめぐり、北朝鮮の核実験や弾道ミサイル発射試験に対抗して「最大の圧迫」に注力していたトランプ政権が、出口戦略も共に模索し始めたという見通しも示されている。米国が「北朝鮮の核問題」ではなく、「朝鮮半島の核問題」と表現した点も異例のことだ。「すべての関係国の正当な懸念」とは、最近米国が対北朝鮮軍事行動の可能性を示唆したことなどに関連するもので、米国が今後このような言及を控えることを示唆したものとと見られる。
また、マスコミ発表文は、「両国は北朝鮮の核および弾道ミサイルの試験が、関連する国連安全保障理事会(安保理)決議を違反することを認める」とし、「完全かつ厳格な関連安保理決議の履行を含め、このような(核・ミサイル)プログラムを抑制するための圧迫を維持するという立場を確認した」と明らかにした。これは、北朝鮮との対話を模索すると同時に、制裁・圧迫を並行するということだ。トランプ大統領も12日、ツイッターを通じて「中国の習近平国家主席が北朝鮮に対する制裁のレベルを高めると述べた。彼は北朝鮮の非核化を望んでいるとも話した。進展を遂げている」と言及した。
レックス・ティラーソン米国務長官も10日、中国の北京からベトナムのダナンに向かう飛行機の中で、記者団に「結局、互い(米朝)が『良い』と言う日が来るだろう。その時が初めて『非公式の対話』(conversation)を行うのに良い時期」だと述べたと、「ブルームバーグ通信」が報じた。
ティラーソン長官は「これは、交渉(negotiations)を始めるのではなく、非公式の対話を持つということ」だと強調した。しかし、「探索的対話」や「非公式の対話」は交渉の結果による政治的負担が大きい場合、公式交渉に先立って行われる手続きで、事実上の交渉の開始と見ることができる。
ただし、彼は朝米間の「非公式の対話」のためには「北朝鮮が(米国)と話し合いたいという意思表示を、金正恩(キム・ジョンウン)自らがしなければならない」とし、北朝鮮最高位層のシグナルを待っていることを示唆した。これと関連し、匿名を求めたある消息筋は「北朝鮮は『非公式の対話』で制裁の解除問題などを議論すべきという立場を米国政府に要求していると聞いた」として、まだ水面下で神経戦が繰り広げられていることをほのめかした。
一方、トランプ米大統領は12日(現地時間)、ツイッターへの書き込みで、「私は金正恩が『ちびで太っている』と言わないのに、彼はなぜ私を『年老いた』と侮辱するのか」と不満を露わにした。これは、北朝鮮外務省報道官がトランプ大統領の韓国国会での演説に対する談話で、「トランプのような老狂人の妄言」だと非難したことに対する反応と言える。トランプ大統領はさらに、諦めたかのように「仕方がない。私は彼と友達になるためにこうやって努力しているのに。もしかしたら、いつかそうなるかもしれない」と付け加えた。