登録 : 2017.11.09 02:43 修正 : 2017.11.09 08:30

南北を善悪に分け 

休戦ラインは「監獄国家の始まり 
弾圧される者を分ける線」 
北朝鮮の核ではなく北朝鮮そのものを狙う 
 
朝米関係の見通し不透明に 
「北朝鮮崩壊論」に基づいた対北朝鮮認識 
専門家「北朝鮮は米国の敵視政策に 
変化がないと受け止めるだろう」

ドナルド・トランプ大統領が今月8日午前、国会本会議場で演説している。米大統領が韓国国会で演説したのは1993年ビル・クリントン大統領以来24年ぶりのことだ=カン・チャングァン記者//ハンギョレ新聞社
 ドナルド・トランプ米大統領は8日午前に行った国会演説で、朝鮮半島の南と北をそれぞれ善と悪と規定し、激しい表現で北朝鮮を非難した。また、「力による平和」を強調し、北朝鮮体制を徹底的に孤立させることで北朝鮮がこれ以上耐え切れず非核化を選択せざるを得ないように圧迫する意志も示した。息子のブッシュ政権時代の「ネオコン」の認識とあまり変わらないものと見られる。

 同日の演説で、トランプ大統領は「休戦ライン」の象徴性を特に強調した。彼は、休戦ラインが「今日の自由な者たちと弾圧を受ける者を分ける線」だと規定したうえで、「繁栄はそこで終わり、北朝鮮という監獄国家が始まる」と述べた。また、「平和と戦争、品位と悪行、法と暴政、希望と絶望の間にひかれた線」とも語った。休戦ラインの南と北をそれぞれ「自由と正義、文明と成功」の世界と「圧制とファシズム、弾圧と邪悪さ」の世界に分ける宗教的二元論だ。ブッシュ政権が北朝鮮を「悪の枢軸」であり「暴政の前哨基地」と非難したことと軌を一にしている。この場合、政策の焦点は“北朝鮮の核問題”ではなく、“北朝鮮”自体に当てられことになる。

 「最大の圧迫と関与」を対北朝鮮政策基調として提示したトランプ大統領が、同日の演説でもっぱら「圧迫」だけに集中したのも、このような脈絡と言える。彼は「責任ある国家が力を合わせ、北朝鮮の残酷な体制を孤立させなければならない。いかなる形であれ、北朝鮮を支援したり、受け入れてはならない」とし、「中国とロシアを含めたすべての国家に、北朝鮮との外交関係を格下げし、すべての貿易と技術関係を断絶することを求める」と述べた。

 北朝鮮が最も敏感に反応する「最高尊厳」も直接非難した。彼は北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長を「北朝鮮の独裁体制指導者」としたうえで、「あなたが獲得している兵器はあなたを安全にするのではなく、体制を深刻な危険に陥らせるだろう」と警告した。また、「北朝鮮はあなたの祖父が描いた楽園ではない。誰も行ってはいけない地獄」だと話した。トランプ大統領は「残酷な独裁者や暴政、軍事的カルト集団、監獄国家、地獄」など激しい表現を数多く動員したが、「炎と怒り」や「北朝鮮の完全破壊」など軍事的行動を暗示する言及は避けた。

 前日、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と行った共同記者会見で、「米朝直接対話」の可能性について「ある種の動きがある」と言及したトランプ大統領は、同日もごく僅かな対話の可能性に触れた。ただし、それには条件が付いている。彼は、金委員長に対し「あなたが犯した犯罪にもかかわらず、我々はより良い未来のための道を提供する準備ができている」とし、「我々は光と繁栄と平和の未来を望んでいる。核の悪夢が過ぎ去り、美しい平和の約束が来る日を夢見ている」と述べた。ただし、「その出発点は攻撃を中止し、弾道ミサイル開発をやめ、完全かつ検証可能な総体的非核化」だと強調した。北朝鮮が先に非核化することが対話の前提条件ということだ。

 仁済大学のキム・ヨンチョル教授は「演説を通じて確認できるのは、トランプ大統領が『北朝鮮崩壊論』に基づいた対北朝鮮認識を持っており、対北朝鮮政策も『最大の圧迫→北朝鮮が屈服→関与(対話)』につながる点」だとし、「すでに失敗した政策の組み合わせで(トランプの対北朝鮮政策が)構成されている点で、米朝間の関係について楽観的見通しを示すのは難ししそうだ」と話した。

 今年9月15日を最後に“北朝鮮の沈黙”が続いていることを受け、これを「事実上のモラトリアム(試験・発射猶予)」と見て、局面転換を試みるのも可能とした見通しも成り立たなくなった。文在寅(ムン・ジェイン)大統領の大統領選挙キャンプに参加した南北関係の専門家は「バラク・オバマ政権の『戦略的忍耐』は対話しないことに焦点が当てられていたが、トランプ政権は北朝鮮体制を否定し、指導者を強く批判・侮辱することで、対北朝鮮圧力強化の根拠を作っている」とし、「北朝鮮の立場からすると、米国の『(対北朝鮮)敵対視政策』が確認できたことで、いわゆる『国家核兵力の完成』にさらに拍車をかけられる名分を得た」と話した。

 北韓大学院大学のヤン・ムジン教授も「北朝鮮は米国の対北朝鮮敵対政策に変化がないと判断するだろう」とし、「北朝鮮が先平和体制-後非核化という従来の立場を再確認し、米国と対抗できることを誇示するため、武力示威をする可能性も排除できない」と予想した。

チョン・イナン、キム・ジウン、ノ・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力: 2017-11-08 21:47
http://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/818148.html 訳H.J(2286字)
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