来月初めに韓中日歴訪を控えているドナルド・トランプ米大統領が、今月18日から始まった中国の第19回党大会以降、対北朝鮮制裁をレベルをさらに引き上げるよう中国を圧迫することを示唆した。
トランプ大統領は22日(現地時間)に放映予定の「フォックス・ニュース」の事前録画されたインタビューで、「習近平主席はいま党大会を行っている」とし、「習主席が北朝鮮と関連して非常に重大な措置を取ることができる(より強固な)権力を獲得するものとみられる。何が起こるか見守ろう」と述べた。トランプ大統領はさらに、「それでも、われわれはすべてを用意しておいだ。必要な場合に備えてわれわれがいかに徹底的に準備されているのかを知れば、衝撃を受けるだろう」と付け加えた。
トランプ大統領は「(今回の)党大会は習主席に以前の中国指導者はほとんど持ったことのなかったもの(より強固な権力)を与えるだろう」とし、「正直に言って、習主席がそれ(権力)を獲得するまで、とても『ローキー』(low key・静かな対応)で状況を維持したい。彼がそのような権力を獲得すること望んでいる」と述べた。
トランプ大統領のこのような発言は、中国の党会という内部政治状況を“配慮”してこれまで習主席を手荒に圧迫しなかったが、党大会以降は習主席の権力が強化されて内部反発を抑えられるだけに、北朝鮮をより強力に締め付けるよう要求するものと見られる。また、「すべてを用意しておいた」という発言からも分かるように、中国がこれを拒否した場合、中国の安保環境を揺さぶるという脅しでもある。
これと関連し、米当局者も21日、ロイター通信に「トランプ大統領の見解は、(中国が対北朝鮮圧迫を回避する)弁解の余地が減ったということ」だと話した。
しかし、ウッドロー・ウィルソンセンターのジェームス・パーソン韓国史・公共政策センターコーディネーターは、AP通信に「米国は中国の北朝鮮に対する影響力の限界をきちんと把握できていない」としたうえで、「米国の対北朝鮮政策が失敗を重ねているのは、北朝鮮問題の解決をまだ中国に依存する誤った政策のため」だと指摘した。