ドナルド・トランプ米大統領が来月7~8日の韓国訪問の際、国会で演説を行う予定だと、ホワイトハウスが発表した。これにより、トランプ大統領の訪韓は最高待遇を備えた「国賓訪問」になる見込みだ。
トランプ大統領の国会演説は、形式的には米国側が意思を打診する形式を帯びているが、実質的には韓国政府が演説の実現に向け、かなり力を入れてきたという。訪韓した歴代の米大統領の中で国会で演説した事例が多くなく、トランプ政権もあえて反対する理由がなかったものと見られる。
ホワイトハウスは、トランプ大統領が国会演説で韓米同盟と友好を強調し、「国際社会が対北朝鮮圧迫の強化に参加することを促す」と発表した。韓国政府は「対北朝鮮制裁に向けた協力の強化」という既存の立場を強調しながらも、トランプ大統領の国会演説で対北朝鮮交渉の可能性を残すメッセージを引き出すことに重点を置くものと予想される。
短期的には、平昌冬季五輪を目前にした状況で、トランプ大統領の荒々しく強硬な発言を控えさせることで状況を管理する必要がある。また、中長期的にはトランプ大統領に少なくとも北朝鮮との交渉を否定しない発言を引き出してこそ、今後の韓国の対北朝鮮政策と関連した外交空間を広げることができるからだ。
特に、トランプ大統領が5~7日の日本訪問では北朝鮮と関連して強硬な発言をする公算が大きいため、韓国政府はトランプ大統領の発言を管理する必要性が大きくなったと言える。日本政府はトランプ大統領と北朝鮮拉致被害者の横田めぐみさんの両親との面会に力を入れ、トランプ大統領を通じて北朝鮮に強硬なメッセージを伝えようとしているものと見られる。
一方、15日(現地時間)、レックス・ティラーソン米国務長官は北朝鮮との外交的努力を「最初の爆弾が落ちる時まで続ける」と明らかにした。これは、北朝鮮が米国に先制攻撃をしない限り、米国も先に北朝鮮を物理的に打撃することはないという意味で、今まで出た米当局者の発言のうち、最も明確に先制的な対北朝鮮軍事行動に線を引くような立場を明らかにしたものだ。
ティラーソン長官は同日、CNN放送に出演し、「大統領は私に、外交的にこの(北朝鮮の核)問題を解決したいという点を明確にした。彼は戦争を起こすことを追求していない」と述べた。さらに、「トランプ大統領は、北朝鮮政権と金正恩(キム・ジョンウン)に軍事的準備ができており、テーブルにそのような軍事オプションがあるという点を明確にしたいと思っている」とし、「私たちは実際にそのようなもの(軍事オプション)を完璧に整えるのに時間を費やしてきた」と付け加えた。北朝鮮の米国への攻撃を想定した防衛能力を整え、「最大の圧迫過程」で発生しうる偶発的な武力衝突の可能性に備えていることを強調したものと思われる。
ホワイトハウスのハーバート・マクマスター国家安保補佐官も同日、「フォックス・ニュース」に出演し、軍事オプションがあるかという質問に「大統領は『不良政権』金正恩が核兵器で米国を脅かすことを許さないと明らかにしてきた」としたうえで、「そのようなことが起きないよう、必要なすべてのものを行う」と述べた。しかし、マクマスター補佐官は具体的な軍事オプションを問う質問には「引き続き整えて改善している。計画を実行に移すことを望んでいないが、用意はしなければならない」という原則的な答弁を繰り返した。