朝鮮半島情勢の緊張局面が続いているなかで、レックス・ティラーソン米国務長官が30日に中国を訪問する。ティラーソン長官は訪中過程で、北朝鮮の核・貿易問題を巡り中国を一層締め付けるだろうという見方が多い。
ティラーソン長官は28日(現地時間)、中国への出発に先立ち米国ワシントンで開かれた劉延東・中国副首相との米中「社会・文化対話」を始める前に記者団に「(訪中過程で)ドナルド・トランプ大統領の訪中議題について議論する」とし「当然、北朝鮮問題も議論のテーブルに上がるだろう」と明らかにした。
ティラーソン長官は中国側の人々に会い、朝中経済の連結遮断を強く要求するものと予想される。これと関連して、スーザン・ソーントン米国務省東アジア太平洋担当次官補代行はこの日、上院金融委員会の聴聞会に出席し「中国が(対北朝鮮)政策を転換しているのを見ている」とし、「私たちは北朝鮮を一種の(戦略的)資産と眺める中国の立場を変えるために努力している」と述べた。中国を通した対北朝鮮経済制裁戦略が受け入れられているという判断の下、対中圧迫の強度を一層高めるだろうと予告したと見られる。
また、これは北朝鮮と取引する中国の銀行・企業に対する制裁予告行政命令の他にも、中国の安保環境を揺さぶり北朝鮮を戦略的負担と感じさせる軍事的圧迫手段も併行していることを示唆する。
ハーバート・マクマスター国家安保補佐官も25日「米国戦争研究所」主催の行事で、中国が対北朝鮮制裁に協力しなければ、韓国および日本の軍事活動増強と「再武装の可能性」に直面するだろうとも警告した。中国圧迫のために韓国と日本に対する先端武器販売と韓米日3国間安保協力を強化するという意味と解説される。
専門家たちは、トランプ行政府の予測不可能な対中国強弱両用戦略、韓国と日本の対北朝鮮強硬策への合流、北朝鮮の相次ぐ戦略的緊張高揚行為、中国内部の政治的状況などから、中国が米国に譲歩を続ける姿を見せていると診断する。中国も貿易よりは北朝鮮核問題を米国に対する“譲歩カード”として使っているという分析もある。
こうした理由で、中国が10月の党大会を終えた後に対米路線を攻勢的に切り替えるかどうか、米国の対北朝鮮石油類供給全面中断要求の強度、米中による北朝鮮の核と貿易問題を交換する戦略、北朝鮮の戦略的緊張高揚の有無などが、トランプ大統領の11月訪中により変曲点をむかえ、朝鮮半島の気流に複合的な影響を与えるものと見られる。ただし、ティラーソン長官の今回の訪中で、米中が「制裁以後の交渉再開局面」に備えた戦略なども広範囲に議論されることもありうる。