本文に移動

トランプ政権、「新しい対北朝鮮政策」言及…だが実際には「そのまま」?

登録:2017-03-16 22:56 修正:2017-03-17 07:18
ティラーソン米国務長官 
「米国の対北朝鮮政策は失敗、新しい対北朝鮮政策が必要」 
だが実際には「戦略的忍耐」継続する見込み 
15日夕、ドナルド・トランプ米大統領がデトロイトとナッシュビルを続けて訪問した後、再びワシントンのホワイトハウスに戻り取材陣に親指を立てて見せている=ワシントン/聯合ニュース

 東アジア歴訪に出たレックス・ティラーソン米国務長官が16日、日本で開かれた米日外交長官会談の後、これまで米国政府が推進してきた対北朝鮮政策が「失敗」だったと評価し「新しい対北朝鮮政策が必要だ」と明らかにした。

 ティラーソン長官の発言は、これまで「戦略的忍耐」という名前で北朝鮮の核とミサイル開発に事実上無対応で一貫してきた米国の対北朝鮮政策を根本的に修正する必要があることをドナルド・トランプ米行政府が公式の席で明らかにしたことなので世間の注目が集まっている。しかし、ティラーソン長官が「新しいアプローチ」の具体的内容に対しては明らかにせず「北朝鮮核問題を解決するための韓米日3国連帯が重要だ」という水準にとどめ、いわゆる「新しい対北朝鮮政策」の方向性は相変らず曖昧なままだ。

 「新しい対北朝鮮政策」とは、「対話を摸索」するか、あるいは「軍事的対応」も辞さないとする、穏健と強硬がその選択肢になりうる。ところがトランプ政権は最近この「両極端」を共に排除する方向で結論を下したと伝えられるなど、これといった妙策はない状態だ。

ニューヨークタイムズ 
「ティラーソン国務長官、中国指導者に 
MD設置・中国金融機関圧迫メッセージ伝達」報道 
対中圧迫・対北朝鮮制裁水位を上げるだろう軍事的抑止 
「北朝鮮自ら核放棄」オバマ政策と類似

 ニューヨーク タイムズは15日(現地時間)、ティラーソン国務長官が18~19日に中国を訪問し、習近平国家主席など高位指導者に会う席で「強硬」な立場を伝える予定だと報道した。高高度防衛ミサイル(THAAD)などのミサイル防御(MD)システムを設置し、中国が北朝鮮の核・ミサイル開発プログラム制限のために北朝鮮に影響力を行使しないならば、中国の金融機関を圧迫するということだ。

 同新聞はティラーソン長官の出国に先立ち、相次いだホワイトハウスの会議でこのようなメッセージが作られたと伝えた。また、米国の対北朝鮮政策の選択肢の中で、「北朝鮮との交渉」や「北朝鮮核・ミサイル基地に対する軍事行動」という両極端の選択は現時点ではすべて排除されていると新聞は報道した。

 こうした外信報道と消息筋の話を総合すれば、トランプ政権の対北朝鮮政策は大枠で見れば、中国を圧迫して北朝鮮に影響力を行使させ▽対北朝鮮制裁強度を高め▽軍事的抑止および防御能力を強化するなどの流れに向かっている。これは多様な圧迫手段を動員して「北朝鮮が自発的に核を放棄し交渉の場に出てくるようにする」というオバマ政権の対北朝鮮政策と似ている。

 一部では北朝鮮の非核化を目標に、短期的には北朝鮮核・ミサイルプログラムの凍結交渉を通じて足元の火を消そうという主張も出ているが、マーク・トナー米国務部報道官代行は「北朝鮮が核を放棄するという真剣な信号を出さなければ」交渉はできないというこれまでの立場を繰り返した。結局、トランプ政権の対北朝鮮政策は、ティラーソン長官の話とは異なり、「選択肢不足」によりオバマ行政府のいわゆる「戦略的忍耐」をなぞる姿だ。

 さらに、ホワイトハウスの会議では北朝鮮と正常に取り引きしている中国銀行などに対しても制裁を加える「セカンダリーボイコット」についても議論したという。だが、ダニエル・グレーザー前米財務部テロ・金融担当次官補はニューヨークタイムズに「中国の大型銀行は北朝鮮との取引を避けており、小型銀行は米国の銀行システムではほとんど捕捉できない」として、これも履行が容易ではないと説明した。

 ティラーソンが中国指導部に対するホワイトハウスのメッセージをどの程度の強度に決めるかもはっきりしない。来月初め、米フロリダのマララゴリゾートでの両国首脳会談を控えた状況で、過度な緊張高調は米中双方に負担として作用しかねないという指摘も多い。

ワシントン、東京/イ・ヨンイン、キル・ユンヒョン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/america/786767.html 韓国語原文入力:2017-03-16 16:11数丁:2017-03-16 20:09
訳J.S(1921字)

関連記事