今週行われるレックス・ティラーソン米国務長官の韓中日歴訪に続き、来月初めにはドナルド・トランプ米大統領と習近平・中国主席が米国で首脳会談を開くことが発表され、北朝鮮核問題および高高度防衛ミサイル(THAAD)配備など朝鮮半島問題が重大な分岐点を迎えることが予想される。
ティラーソン国務長官の歴訪で、最大の争点はやはり最も敏感な懸案であるTHAADになると予想される。先に首脳会談を終える日本(15日)や、権力空白状態の韓国(17日)より、中国(18日)訪問がさらに注目される理由だ。
THAADと関連して、米国務部のスーザン・ソーントン東アジア・太平洋担当次官補代行は13日(現地時間)、外信ブリーフィングで「韓国の新政府がTHAAD配備を翻意すれば、主権次元で尊重するか」という質問に「韓国の主権を尊重する。しかしTHAAD配備は米国と韓国が共同で行った同盟決定」と明らかにした。続けてソーントン次官補代行は「THAADの配備は、政治的状況や他の考慮とは関連がないこと」と話した。韓国の政権交替とは関係なく、THAAD配備は撤回しないという意思を再確認したわけだ。
ティラーソン歴訪過程で中国は、THAADレーダーが中国の核抑止力弱化を呼び起こし、長期的に米国が中国をミサイル防御(MD)システムで包囲しようとしているのではないかと強力に反論を展開するものと見られる。中国の一部ではTHAAD配備を阻むことはもう不可能になったとし、むしろ「軍事的対応」で対抗しなければならないのではないかという声まで出ている。王洪光・元南京軍区副司令官は13日、レーダー信号の干渉・かく乱を通じた「THAAD無力化」方式に言及して「THAADが作動を始める前に(対応装備の)設置を終えるだろう。そのような装備はすでにあり、適当な場所に移して置きさえすればよい」と主張した。
中国内部ではTHAADの韓国配備の根拠を弱化させるためには、北朝鮮の核問題解決が避けられないという認識もしているという。中国の王毅外交部長が8日「北朝鮮の核・ミサイルと韓米連合訓練の同時中止」構想を提案したのは、こうした戦略の延長線といえる。
しかしトランプ行政府は、バラク・オバマ行政府と同じく「盾」の役割をするTHAADが必要で、北朝鮮を交渉のテーブルに引き出すためには中国が対北朝鮮圧迫強度を高めなければならないという基本認識を持っている。韓国政府もこれに同調してきた。トランプ大統領は先月27日、ホワイトハウスで楊潔チ・中国外交担当国務委員に会った席でも、中国が北朝鮮核問題解決のために積極的に出なければ、日本も核武装せざるをえなくなるのではないかという言い方で中国を強く圧迫したという。これに伴いティラーソン長官は今回の歴訪で、北朝鮮と正常に取り引きしている中国などの第3国企業に対しても制裁する「セカンダリーボイコット」の可能性まで取り上げて、中国が受容できる臨界値まで最大限圧迫するものと予想される。
一方、ソーントン次官補代行はこの日ブリーフィングで、ティラーソン長官の今回の歴訪について「新しい対北朝鮮接近法の議論も重要な一部分」と明らかにした。トランプ大統領はこの日ティラーソン長官と、ハーバート・マクマスター国家安保補佐官と夕食を共にして、歴訪戦略を議論したとホワイトハウスは明らかにした。